建設産業女性活躍セミナー in 名古屋

建設産業女性活躍セミナー in 名古屋建設産業女性活躍セミナー in 名古屋

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開催日時
平成29年11月27日(月)
14:00〜14:30 基調講演①
14:30〜14:45 基調講演②
14:45〜16:00 パネルディスカッション
16:00〜17:00 名刺交換・交流会
開催場所
安保ホール
基調講演①
「建設業を女性の一生の仕事に~男女共創の幕開き」
有限会社ゼムケンサービス 代表取締役 籠田淳子氏
基調講演②
「最近の建設産業政策について」
国土交通省 土地・建設産業局 建設市場整備課 調整係長
中野 次郎氏

パネルディスカッション

テーマ
「建設産業において、さらなる女性の入職及び定着を促進するためには」
概 要
○コーディネーター

籠田 淳子氏
有限会社ゼムケンサービス 代表取締役

○パネリスト

児山 奈央美氏
菊水化学工業株式会社 法務審査部 係長
日本建築仕上学会 女性ネットワークの会
柴田 雅俊氏
三井住友建設株式会社 執行役員 土木本部次長
(一社)日本建設業連合会
藤代 祥子氏
日特建設株式会社 名古屋支店
(一社)土木技術者女性の会
藤原 永知子氏
藤原工業株式会社 工事部
(一社)建築設備技術者協会 設備女子会
村瀬 真紀氏
矢作建設工業株式会社 人事部人事課 主任
(一社)愛知県建設業協会
村田 史子氏
徳倉建設株式会社 総務部 係長
(一社)愛知県建設業協会
渡邊 裕子氏
株式会社横井業務店
(一社)日本左官業組合連合会
和田 智恵氏
株式会社加藤建設
(一社)全国中小建設業協会
中野 次郎氏
国土交通省 土地・建設産業局 建設市場整備課
調整係長
西尾 弘一氏
国土交通省 中部地方整備局 建政部 建設産業課 課長補佐

 

パネルディスカッション

建設産業において、さらなる
女性の入職及び定着を促進するためには

 

籠田:
今回は、ご当地で建設業を支えてご活躍されている7名の女性と、黒一点ということで1名の男性にもご登壇いただきます。非常に楽しみにしています。自己紹介をよろしくお願いします。

籠田 淳子氏 (有)ゼムケンサービス 代表取締役

籠田 淳子氏
(有)ゼムケンサービス 代表取締役

◆女性が活躍するうえで課題として感じていること〜自己紹介を兼ねて

 

児山:
私は、菊水化学工業(株)の法務審査部で、社内規定の整備や営業所や工場に訪問して法律上問題がないかという検査を行っております。
弊社は名古屋市にあり、創業は昭和34年、従業員は平成29年3月末現在522名です。女性の占める割合は、パート・契約社員を含む全体で22.4パーセント、正社員のみでは13パーセントになります。主な事業は建築塗料の製造販売と工事です。
弊社の女性活躍推進の取り組みですが、平成28年6月に女性活躍推進プロジェクトが発足し、今年7月には働き方改革プロジェクトが発足しました。8月にはその分科会として、女性目線の商品開発プロジェクトが発足しています。プロジェクトの発足にあたり、「みんなのために」「よりよい商品」「豊かな愛情」という社是をもとに目指すべきゴールを設定しました。目指すのは、「すべての人がいきいきと能力を発揮して、安心して働ける環境づくり」です。
「すべての人」には女性だけではなく、男性も含まれます。「女性活躍推進」のことを略して「女活」といいますが、弊社では「女活」とは「人活」、つまり「すべての人材活躍」と捉えました。女性が働きやすい会社は、男性も働きやすいからです。
女性は出産や子育てなど、ライフイベントが多く、働く時間や場所に制約があります。そんな女性にとって、働きやすい環境を整えると、すべての人が働きやすい会社となります。また「いきいきと」には、「働きがいのある状態」「安心」「働きやすい環境」という意味が込められています。すべての人がいきいきと安心して働ける結果、働くすべての人が有効に活躍できれば、会社に利益貢献ができると考えました。「みんなでいきいきと働いた結果、会社がもうかって、ボーナスも増える状態」をゴールとして捉えています。
具体的な活動としては、今年2月に職場見学会を実施し、従業員の家族や子どもたちがやって来ました。目的は製造部の若手育成です。自分たちの仕事のやりがいや働きがいを振り返って、社会の人に伝えることを目的としました。また、女性向けキャリア研修を行いました。「ワイガヤ会議」と名付けており、ワイワイガヤガヤ、自由に発言して、よりよい議論ができるように心掛けています。さらに、「女活」「ワークライフバランス」を業界全体で取り組むべきものと認識しておりますので、問題意識を持たれている取引先と一緒にワークライフバランスについて学習する管理職研修を行いました。
男性の育休制度についても見直しました。
男性が育休を取らない理由については「収入の不安」「手続きや心理的ハードルが高い」「必要性を感じていない」という三つの理由が考えられますが、これらの理由を解消するために取り組みました。
第一は、休業期間が5日以内のときは有給として口頭での事前申請で育児休業が取得できるようにしたことです。第二は、育休専用のパンフレットを作り、育休のメリットや手続きの説明を載せたことです。育児休業に対して当事者意識を持ってもらうための取り組みです。第三は、子どもが生まれそうな社員本人とその上司に対して、「お子さまのご誕生おめでとうございます」というメッセージカードを送り、そこに育児休業の使い方の説明書きを添えたことです。
今後も取り組みは続けていきますが、すでに三つの成果が出ております。一つ目は、今年の4月に「あいち女性輝きカンパニー」としての認証を受けました。二つ目は、男性の育児休業取得者が0名から1名になりました。三つ目は、製造部門の若手の離職率が低下しました。

児山 奈央美氏 菊水化学工業株式会社 法務審査部 係長 日本建築仕上学会 女性ネットワークの会

児山 奈央美氏
菊水化学工業株式会社
法務審査部 係長
日本建築仕上学会 女性ネットワークの会

柴田:
私は、三井住友建設(株)に入社して35年が経ちますが、25年間は全国の現場で働いておりました。あとの10年は、本店の土木本部で人事、採用、教育、配置、業績管理を行い、最近は働き方改革、生産性向上、ダイバーシティーを担当しています。女性活躍関係では、社内の女性活躍推進部会の委員、日本建設業連合会(日建連)のけんせつ小町の委員や人材確保専門部会の部会長を務めております。
日建連は、ゼネコン140社で構成され、建設産業に関わる問題点を解決し、国民生活と産業活動の基盤の充実に寄与する団体です。たくさんの委員会があり、なかでも「けんせつ小町委員会」は、建設業における女性の活躍推進に向けた方策を検討しています。その他に、生産性向上推進本部や週休二日推進本部など、働き方改革に関する最新の部署もできました。
「けんせつ小町」とは、技術系・事務系関係なく、建設業で働く全ての女性を指し、女性が持てる力を発揮できる労働環境の整備に取り組んでおります。
建設業界は、担い手がなかなか確保できないという現状がありますが、これを克服するためには、担い手の確保と育成、生産性の向上による省人化が大切です。これらを両輪で取り組まないと、建設業に人は来てくれない、定着しないという思いで取り組んでいます。
日建連の目標は、基本的には女性技能者である女性の職人さんを増やすことです。そのためには、働き方と環境を整備することが必要です。そこで、女性の職人さんが働きやすい環境を整備するために、女性の現場監督を増やすという取り組みを始めました。
さらに、「男社会」と「3K」という建設業に対する悪いイメージを払拭し、建設業界で女性が活躍していることを広く知ってもらうという目的でセミナーを開催しており、入職促進用のポスターも全国展開しています。また、小中学生という早い段階から建設業に興味持ってもらうために、女子小中学生に向けた現場見学会を全国各地で開催しています。けんせつ小町の活動をPRするホームページも制作しました。
課題は、女性が働きやすい環境整備が遅れていることです。長時間労働や、産休・育休明けの働き方の選択肢が少なく、働きにくいワークスタイルなどが問題になっています。これらの問題を解消するため、現場の環境整備や制度について、チェックリストを使って改善を進めています。また、せっかく制度ができても、男性上司を含む周りの男性陣、それと実際に働く女性自身の意識が変わらなければ意味がありません。それぞれの意識改革を進めるために、セミナーやワールドカフェを開催しております。さらに、女性活躍推進の活動に対する表彰制度もつくり、活動の活性化を図っています。

柴田 雅俊氏 三井住友建設株式会社 執行役員 土木本部次長 (一社)日本建設業連合会

柴田 雅俊氏
三井住友建設株式会社
執行役員 土木本部次長
(一社)日本建設業連合会

藤代:
私は、地質系学部の出身で、日特建設(株)に入社して12年目になります。最初の2年間は、本社技術本部で研究開発を行い、その後、名古屋支店に異動して、高速道路ののり面や杭、桟橋や橋脚等の土木工事に関わりました。2014年からは営業部へ異動し、見積や積算作業はもちろん、技術的な提案業務、PR活動や協会活動などに従事しています。
私は、周囲に土木関係の方がおらず、土木をまったく知らずに育ちました。そのような中、高校3年生の秋に台風の直撃に遭い自然の猛威を目の当たりにしました。自宅周辺の舗装されてない道路は湧水によって滝ができ道路がえぐられ、徒歩や車では通行できなかったことからタイヤショベルの運転席周囲にある支柱にしがみついて家に帰りました。こうした経験から、自然に関することに興味を持ち、地球資源環境学科という名称の学科に入学しました。その学科は、入学そうそうハンマーとクリノメーターというコンパスを購入し、地質学を学ぶ学科だったため、これが建設業界へのきっかけだったと思います。
就職活動のときは、何かものをつくりたいとか大きな目標を持っていたわけではありません。ただ、学科で学んだことがとても楽しかったので、それを生かせる業界に行きたいと考えました。
担当教官を通じて先輩を紹介してもらい、OG訪問で弊社を知りました。弊社は防災関係の技術に特化し、地質技術者もたくさん活躍していることから、魅力を感じて入社した次第です。
弊社は、女性活躍推進にむけて「採用する女性の割合を増やす」「女性の在籍する事業所を拡大させる」「働きやすい職場環境の整備」を目指していますが、現場によっては女性トイレの整備も満足にいかない部分もあります。また職場環境の整備では、残業時間の抑制、有給休暇の取得促進、育児・介護休暇の整備も進めていますが、男女ともに気軽に制度を活用するまでには至っておりません。現場をはじめとした仕事を進める中で、どのように制度が活用できるのか、会社全体で制度に対する理解を進めることが課題だと思います。
(一社)土木技術者女性の会は、今から30年以上前の1983年に、「座談会・女性土木技術者おおいに語る」の出席者をはじめとする有志約30名が任意団体として「土木技術者女性の会」を発足させ、のち2013年に法人格を取得した女性技術者の質の向上と活動しやすい環境づくりを目的とした会です。全国に約550名の会員がおり、北海道、東日本、中部、西日本の4支部で活動をしています。活動の一環として、『Civil Engineerへの扉』という冊子を今年の3月末に発行しました。土木を目指す方にとって、就職活動の参考となるように発行した冊子です。「こういう働き方があるんだよ」というひとつの道しるべとして見てほしいと思っています。また、土木の仕事に関わる人たちの所属機関と、その人たちはどういう仕事に関わるのかという表なども掲載しているため、男女問わずに活用いただければ嬉しいです。送料は負担となりますが、無料で配布しているため、気軽にお申込みください。

藤代 祥子氏 日特建設株式会社 名古屋支店 (一社)土木技術者女性の会

藤代 祥子氏
日特建設株式会社 名古屋支店
(一社)土木技術者女性の会

藤原:
私は、空調・給排水設備業の藤原工業(株)に所属し、建設設備技術者協会中部支部設備女子会の運営委員を務めております。義父の会社に入社して以来、経理・総務・工事と何でもこなしてきましたが、義父が亡くなったことや昨年発足した中部支部設備女子会での交流がきっかけとなり、5月に総務部から工事部に異動して、14年ぶりに現場に復帰することになりました。現在、警察署や老人保健施設の工事をかけもちしております。
建築設備技術者協会は、建築設備士の資質や社会的地位を向上させ、質の高い建築設備を実現して社会に役立つことを目的としています。
そして建築設備技術者協会設備女子会は、平成24年11月18日の「建築設備士の日」に発足しました。会員数は604名で、その1割の61名が中部支部の会員です。積算、営業、企画、経理、総務の仕事をしている女性や、大学生も入会しているように、建設業に関わる女性であれば、どなたにでも入っていただける組織です。中部支部設備女子会では、昨年6月の発足以来、3回の見学会を行いました。大名古屋ビルヂングやJRゲートタワーのバックヤードの見学会を開催し、見学会後にはネットワークづくりとして交流会を開いて、にぎやかにいろんなお話をしています。
また、新聞を通じてロールモデルを紹介する記事を発信しています。平成25年から記事掲載が始まり、現在までに85人の設備女子が紹介され、私は第76回に紹介されました。
設備女子会の事業では、必ず協会理事に手伝いに来てもらっていますが、女子会の活動を、女性だけに限定しないことで男性と女性お互いの理解が深まり、さらに女性の活躍機会が増えて、業界全体の好循環になると思っています。
中部設備女子会は、入会金・年会費は無料です。これはすごく大事なことです。女性は結婚や出産、子育てというライフイベントで仕事が必ずしにくくなる時期があります。そのような時期にも年会費が無料であり、メールで全国各地の設備女子会の事業案内が送られることで、建設業界に女性をつなぎとめておけるのではないかという狙いがあります。
また、ライフイベントがいったん落ち着いた女性がメールを見て、「見学会や交流会に無料なら行ってみようか」と思えるような事業に参加することで、業界をいったん離れた女性がもう一度復職するきっかけになると考えております。中部設備女子会は、さまざまな企業に勤務し色々な業種で仕事をする女性の集まりであり、活動を通じて横につながることで、複眼的な視点・多角的な角度から個々の仕事に生かすことができます。

藤原 永知子氏 藤原工業株式会社 工事部 (一社)建築設備技術者協会 設備女子会

藤原 永知子氏
藤原工業株式会社 工事部
(一社)建築設備技術者協会 設備女子会

村瀬:
私は文系の大学を卒業しまして、矢作建設工業(株)に一般事務職として入社をしました。最初に社内のシステム管理をする部署に配属され、そこで7、8年働きました。その間に、「建設会社って男性が多いな」「女性の自分でも何かできることがあるんじゃないかな」と、日々悶々と考えることが多くなりました。そして、立候補して総合職への職種転換を致しました。その後、人事部に異動になり現在まで8年経過しています。人事部では、採用や社内の教育研修を担当致しました。人事部に配属をされてから2回育児休業を取得しておりますので、8年ぐらいの約半分の4年もお休みをいただいているような形です。
この会場には、理系の方や技術系のお仕事をされている方が大変多いので、今日パネリストとして参加をしていることに大変恐縮しております。
しかし、今後女性が活躍していくためには、理系・文系関係なく周囲の方々の理解が大切だと私自身も実感しております。
現場で働く女性技術者の方には環境の準備、そして制度の準備が必要になってくると思います。そのような課題がある中で、今後入ってくる女性技術者の方や女性社員のために、自分が人事部として何かできるのではないかと思い、日々頑張っています。何かお知恵があればぜひ教えてください。

村瀬 真紀氏 矢作建設工業株式会社 人事部人事課 主任 (一社)愛知県建設業協会

村瀬 真紀氏
矢作建設工業株式会社
人事部人事課 主任
(一社)愛知県建設業協会

村田:
私は、平成10年に土木系の大学を卒業し、施工管理職として徳倉建設(株)に入社いたしました。もちろん最初から現場に出たいと希望して現場に出させていただき、約10年間、東名高速道路のパーキングエリアや共同溝、新東名の橋脚、愛・地球博の道路関係などに携わってきました。そして、入社10年目ぐらいで結婚をしました。夫は同じ建設業界で働いておりますが、当時から単身赴任が続いていたので、出産する時は立ち会いも難しく、ましてや実家の手伝いも見込めず、1人で入院して出産しました。
こうした事情から現場に復帰することがどうしても難しいと会社に相談したところ、短時間勤務をしながら内勤業務をしないかというお話をいただき、購買部を経験して今は総務部で働いております。
こうして、2人の子どもの出産と育児休暇を経て、入社20年目になります。
私は現場で働いている方々とは逆で、最初に現場で働いて、その後内勤で働いています。2級建設業経理士や1級土木施工管理技士などの資格をとり、逆に文系の道をたどっています。やはり、現場で働くことが建設業界で一番大きなことだと思いますが、逆にその現場で働いている人たちを支える総務や工務の仕事も本当に大事だなと実感しております。一般職、総合職、技術屋さんなど、色々な立場の方が女性・男性問わずいらっしゃいますが、そういった方々みんなが働きやすい会社が、やはり女性が活躍できる会社だと思います。
自分も勉強の最中です。これからも皆さんのいろんなお話を聞きながら勉強していきたいと思っています。

村田 史子氏 徳倉建設株式会社 総務部 係長 (一社)愛知県建設業協会

村田 史子氏
徳倉建設株式会社 総務部 係長
(一社)愛知県建設業協会

渡邊:
私は、愛知県の地元の工業高校を卒業して、そのまま(株)横井業務店に左官工として入社しました。入社して10年以上たちますが、ずっと現場で作業員として働いております。私が入った頃は、建物が終了するまで女性は私1人という現場もしょっちゅうでした。ですが、ここ数年は内装屋さんなどに女性もかなり増えてきました。大手のゼネコンさんにお世話になることが多いのですが、女性用トイレも家庭用トイレと変わらないぐらいきれいに整備していただいて、本当に作業員としては働きやすくなっていると思います。
高校を卒業してから弊社に入社する女性は結構いますが、卒業してすぐ入るので、高校時代から左官屋の仕事を知っている女性は本当に少ないです。実際、建設現場では仮囲いがされて、足場で囲われているので、中でどんな作業を行って建物が建っていくかを知っている女性は本当に少ないと思います。私は、小学生20人〜30人を対象に、現場の壁を使った左官体験を行わせていただいたことがあります。小学3年生ぐらいでしたが、女の子の方がすごいやる気を出して、「私がやりたい、私がやりたい」と言って参加してくれました。
このような経験を何回かしていると、小さい子にアプローチをしたほうが、心に残ると思いました。高校生・大学生に体験させるのももちろん大事ですが、進路を考えるときに小さいときの体験を思い出して、建設業への道を選んでくれることもあると思います。
実際、ここ数年でかなり女性が増えてきているという実感もあります。本日の皆さまのお話を参考にし、これからも現場で働いていきたいと思います。

渡邊 裕子氏 株式会社横井業務店 (一社)日本左官業組合連合会

渡邊 裕子氏
株式会社横井業務店
(一社)日本左官業組合連合会

和田:
私は (株)加藤建設に今年入社してまだ半年しか経験がないのですが、CS事業部の工事課で現場監督をしております。
実家は土木とは無関係の家なのですが、高校卒業後の進路を決める際に土木の道を選びました。最初は土木という単語も知りませんでしたが、たまたま行った大学のオープンキャンパスで土木という分野を知り、少し興味がわきました。ただ、進路への決め手になりませんでした。しかし、ちょうど私が高校2年生になる前に東日本大震災があり、自然の脅威を目の当たりにしました。そこで自分がオープンキャンパスで見た土木という分野に結び付き、自分はこういう仕事がしたいと思って土木分野に進みました。
弊社では、初めての女性の技術者として、採用していただきました。私も会社もいろいろ手探りな状態で、お互い意見を出し合いながら働いております。
ですので、他社の取り組みを参考にするために、本日は参加させていただきました。私自身、現場監督としてはまだまだ未熟で、それだけでも精いっぱいなところはありますが、今後もし自分と同じ思いをする後輩女性が入ってくるのであれば、何か力になりたいと思うので、そういう面でも勉強させていただきたいと思います。よろしければお力を貸していただければ幸いです。

和田 智恵氏 株式会社加藤建設 (一社)全国中小建設業協会

和田 智恵氏
株式会社加藤建設
(一社)全国中小建設業協会

籠田:
本日は国土交通省の建設市場整備課の中野さん、そして中部地方整備局の西尾さんにパネルディスカッションにも加わっていただきます。中野さんにはのちほど、総括していただきたいと思います。西尾さんには、中部地区における建設産業の女性活躍のトピックがございましたらぜひお話いただけませんでしょうか。
西尾:
私の在籍する建設産業課は、建設業の許可業務や建設産業の健全な育成に向け、建設業の適正な契約取引に向けた指導や違法行為に対する行政処分などを行っています。特に最近は社会保険未加入者対策として、社会保険の支払いの原資となる法定福利費の確保による建設技能労働者の処遇の向上と公平で健全な競争環境の構築を図ることにより、建設産業の魅力の向上と将来の担い手の確保、人材育成について積極的な取り組みを行っております。
中部地域の建設産業においても、就業者の高齢化が進行しており、次世代への技術継承が危惧されております。このような状況を改善するために、中部地方整備局では担い手確保の取り組みを進めています。建設業団体、教育関係者、行政関係者で構成する「中部圏建設担い手育成ネットワーク協議会」というものがあり、中部地方整備局も構成員として参加しています。そして、若者・女性の入職促進、離職防止の観点から、毎年管内の若手の技術者・技能者を対象として「建設若者塾」を開催しております。「建設若者塾」は、建設業に従事する若者同士の交流、ネットワークづくりを促進して離職を防ぐ目的で、講義、グループディスカッション、建設現場見学、交流会等を実施しています。今年は4回目の開催となり、6月21日から22日、2日にかけて、35名の方が参加しました。
また専門工事業という専門的な建設作業を実際に体験して、建設業の魅力を実感していただくイベントとして、5月31日に管内の高校や専門学校の教師や生徒さんを対象とした第2回建設専門工事業合同体験フェアを開催いたしました。このイベントも大盛況で、320名を超える生徒の方にご参加いただき、大変好評でした。中部地方整備局としましては、関連団体と連絡を取りながら、引き続き担い手確保と女性活躍に、積極的に努めていくつもりでございます。
籠田:
国土交通省では、「建設業で働く女性の数を増やす」という目標を掲げています。そのためには、「この業界に入ってきてもらう」そして「定着をさせていく」という二つの要素が欠かせません。当然、増やすだけではなく処遇の改善や、どのようにしたらやる気を維持できるのかも大事です。長く働ける環境を整えることも必要ですが、まず入職して定着するというステップについて、パネラーの方、そして会場の皆さまにもマイクを向けたいと思います。
◆建設業に対するネガティブなイメージを払拭していくことが重要
藤原:
私は短期大学英文科を卒業し、夫と結婚したから建設業に入りました。全く建設業になじみはありませんでしたが、いざ設備業界に入るとすごく面白いと思いました。しかし、一般にはなじみにくい業界であることは確かだと思います。近くにビルが建ち始めても、白いパネルでおおわれて、中からガタガタ音がするだけです。そこで、チラシなどで「パート募集!日給○○円」と宣伝したり、タウンワークなどに「学生募集!○○円」とアルバイト募集をかけ、一度、働いてもらうことも大事だと思います。
昔は、建設業はもっと身近な業界でした。ドラえもんの空き地には、ヒューム管という土管があります。リオ・オリンピックに出てきたマリオも、日本の有名な配管工です。なので、身近な分野であると、もっと建設業に自信を持ってもらいたいと思います。あと、日雇い労働というと聞こえが悪いのですが、肉屋さんに「パート募集」と貼ってあるぐらいの感覚で、一度建設業に入ってきてもらい、学生さんにも体験してもらいたいです。インターンではなく、きちんとしたアルバイトとしてまずは入ってきてもらいたいと思います。そこから入職者が増えていくと思っています。
籠田:
パート・アルバイトを軽く見るのではなくて、どんどんチャレンジして、白い囲いをもっと透明にして、入ってきてもらいたいということでしたね。
今日、私が勇気づけられたのは、22歳の若い方がいたことです。まだ業界に入って6カ月の方々の、業界に対するイメージはどういうものでしょうか。日雇い労働や、この業界は「勉強しないとああなってしまう」というイメージもまだまだ拭い去れないものがあります。どのようなイメージを持たれていましたか。
和田:
「危険で女性には向いてない仕事」だとよく聞いていましたので、やはり現場に出ることは不安でした。大学の先生も意見が分かれ、「女性だからコンサルや公務員のほうがいいのではないか」という先生もいれば、「自分のやりたいことをすればいいよ」と言ってくれる先生も多かったです。やはり印象としては「女性には向いてない、危ない仕事が多い」というイメージがあると思います。
また、労働時間が長いと聞いていたので、最初のうちはいいかもしれませんが、結婚や出産をしたときにもその生活サイクルでやっていけるのかという不安はありました。実際、今も朝は早いですし、場合によっては夜遅くなってしまうこともありますが、それがずっと続くわけではありません。忙しい期間はどの会社にもあって、その期間はみんなが残業することになりますが、1カ月の間ずっと忙しいということは思ったほどにはありませんでした。
また、「危険な仕事なんじゃないか」という不安もありました。しかし、現場に出て思ったことは、想像以上にみんなの安全に関する意識は高く、それに関する設備も整っているということです。誰もが事故を起こしたくないので、安全面はしっかり整備されています。気を抜いてしまうことも多少はあるかもしれませんが、それをカバーできるような対策も現場には色々あり、事故を未然に防ぐ対策もあります。思っている以上に、危険な仕事だというイメージが世の中に広まってしまっているので、「現場はこういうところで、こういう対策をしているよ」ということを発信したいと思いました。
籠田:
若い女性が現場に立とうとするときに、「コンサルのほうがいいんじゃない?」「現場に行かないで研究職のほうがいいんじゃない?」というアドバイスも現実にはあるようです。しかし、私たちは自由でやりたいことがやれます。もちろん研究職も素晴らしい仕事ですし、現場に立つことも素晴らしいです。そんな中で現場に立ってみたら、これほど安全をしっかりやっている業界ってないかもしれないというぐらい、ものすごく守られており、常に追求している現場だと気付かれたということですね。すごくいい発表だと思います。
建設業は3Kと言われ続けて久しいです。それだけに留まるのではなく、それをどれだけ改善、改革していけるのかを公開していかないといけないというのは、ひとつの明らかな課題だと思いました。
藤代:
現場だとやはり汚れてしまう仕事もたくさんあります。よく町中の仕事をしている先輩から、お子さんを連れたお母さんに「勉強しないと、ああいうふうになるからね」という言い方で指を差されたり、上司が腐ったミカンを投げられたという話を聞いてすごく驚きました。実際に私もこの業界を知ったのは大学からで、それまではちょっと怖い、足を踏み入れにくいというイメージがありました。犯罪者が紹介されるときに、「土木作業員の○○さん」という説明も結構見かけるため、建設業に悪いイメージを持っている人もまだ多いと思います。そのため、大学や高校の若い人たちはもちろんですが、社会全体に対して、悪い情報ばかりではなく、建設業が懸命に災害復旧に取り組んでいることや生活の基盤をつくっているということをもっと情報発信する機会が増えたら世の中のイメージもよくなると思います。そして、お母さまや先生たちのイメージの改善が入職者の増加につながるのではと思いました。
また、就職活動時に○○したいではなく、単に公務員ということだけで就職先を言う方をよく聞くようになりました。きっかけとしてはいいと思いますが、できればもっと土木の素晴らしさを知ってもらえればと思います。
籠田:
東日本大震災や熊本地震などでは、色々な公務員の方々が被災地に向かってくださいました。私がすごく感動したのは、同じ地下鉄や飛行機に、国土交通省と背中に書いた作業着を着た人たちがたくさん乗っていたことです。自衛隊ももちろんですが、最初に動き出しているのがこの建設業なのです。しかし、災害復興に関して、私たち建設業が動いていることは、まだ国民には届いていないのではないかと思いました。藤代さんや和田さんが、東日本大震災をきっかけに「日常の私たちの生活の基盤を建設業が守っている。この業界に私たちも入りたい」と思われたことは、今後に向けて本当にいいヒントになります。若い人たちにこのことはお伝えしないといけないということを、またあらためて気が付きました。
最近、建築・土木系の学部に入学する女性はすごく増えています。大学の学部を女性の偏差値の高い順に並べると、医学部、薬学部、建設という順になります。今、偏差値の高い女性たちは、建設業をどんどん目指しています。にも関わらず、そんな女性たちが就職して定着することが、難しいといわれています。パネリストの皆さんは既に定着されていますが、工夫されていることはありますか。

建設産業女性活躍セミナー in 名古屋

 

村瀬:
やはり定着するためには周囲の方々の理解が、絶対必要だと思います。女性と男性では体力が絶対的に違います。男性のほうが力仕事はできますし、よく体も動きますし、背も高いです。女性は背の低い方もいらっしゃいますし、力も弱い方もいっぱいいらっしゃいます。その中で、できることと、できないことがどうしても生まれます。なので、男性と女性が日頃からコミュニケーションを取り、協力し合ってやっていくのが一番いいと思います。そのためにも、男性には、「女性が働くことを受け入れる」という姿勢をできる限り広げていただくことが大事だと思います。
◆それぞれにあった働き方を会社と相談しながら、復職を進める
籠田:
もう女性活躍は、男性に頑張っていただくしかございません。村田さんは最初に技術職として現場に立たれて、結婚・出産など色々なライフイベントを繰り返しながら復職をされました。そして、今度は現場を支えていくことに対してのやりがいを持たれています。復職に関してのお考えをお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか。
村田:
弊社でも以前に産休を取られた方はいらっしゃいましたが、その方は辞められたので、実質的に私が初めての復職者となりました。最初は総合職の技術職で入りましたが、一般職へ変更するか、子どもが保育園に入れないという事情がありましたので、産休を延長する、もしくは辞めるという選択肢も提示されました。
ただ、重要なのは自分自身が何をやりたいかということです。今は事務系の仕事をしていますが、当時は「現場を退いて一般職への転向はどうなんだろう」という抵抗が自分の中にありましたので、それをそのまま会社に伝えました。現場とはいわないまでも、今までやってきたことや学校で勉強したこと、現場で10年頑張ってきたことが生かせる仕事を引き続きしたいと話をした上で、購買部に異動しました。やはり会社と話をすることが一番だと思っています。
籠田:
女性しか子どもを生めないので、女性と男性のライフイベントは必ず違います。復職に関しては、「なかなか戻れない」という話をよく聞きます。この問題を改善するためには、今ご提案があったように、とにかく面談をすることが大切です。わが社もそうですが、一人一人事情が違うからです。親御さんが子どもを見てくれる環境があるなど、その人や子どもの状況によっても違うということを加味し、「子どもがいるならもう働けないでしょ」というレッテルを貼らず、一人一人に合った働き方を、会社は相談をしながら進めていきましょう。
子どもは必ずいつか母親の手を離れますので、そのような子育てを終えた女性に対しての復職支援もお願いしたいと思います。では会場のほうから意見や質問を、ぜひお願いします。
女性A:
私も人事に携わっていたことがあり、復職にも関与しました。その女性は、産休・育休を取っていましたが、子どもが保育園に入れなかったので育休を1年半延長し、その後、これからのことを聞きに行ったときに、実は2人目ができたとおっしゃいました。ほとんどの会社の就業規則では、産休・育休は大体1年、長くて1年半だと思います。しかし、公務員は3年お休みできます。調べてみますと、3年間は保険が要らないとわかりました。会社も個人も負担がないということを知り、私は会社に掛け合って、許可をいただきました。結局、本当だったら4カ月復職しなきゃいけないところを、そのまま休みにして、今2人目の産休・育休に入ってもらっています。
小さい会社だからできたのかもしれませんが、国の法律をうまく使えば最大限休んでもらえます。そして復職するときは、会社と話し合い、自分が長く休んだ間のキャリアダウンした部分を今後どうフォローしながら戻るかはご本人次第です。そういった女性に対して、人事に関わらず、会社の中の誰かが声を掛けて手を差し伸べてあげられると、戻れるようになる人が増えるのではないかと思いました。
籠田:
素晴らしいですね。もちろん皆さんの会社にも就業規則はあると思います。しかし、そもそも就業規則を見たことがあるかないか曖昧だと思います。社員一人一人の事情を聞いてさらに調べる、そういう人事・総務は心強いですね。本当に女性の味方だと思います。女性だから女性のことがわかったのかもしれませんが、今は本当にちょっとした心遣いが必要で、会社も変わらないといけない時代になったのだと思います。
今日は作業着を着た若い女性がたくさんいらっしゃいます。一言感想をいただきたいのですが、いかがですか。
女性B:
後輩2人を連れてきました。3人とも本日は作業着を着て、安全靴で来ました。必ずしも会社の理解があるとは思えませんが、やっぱり変えていきたいという気持ちは持っていますので、現場から刷新していきたいと思います。
あと、今日は国土交通省の方もいらっしゃるので、言わせていただきます。今、私はある国道整備の現場で監理技術者をしています。その現場のトイレについては、結局、掃除をするのは女性ですので、「トイレ掃除を男性用は男性が、女性用は女性がする」ということを仕様書に一文いれてもらえるととても嬉しいです。
籠田:
本当にその通りです。お茶を出す・掃除をするのは女性、というのは現場において全く関係ない話です。国土交通省は、現場に従事している女性たちを10万人と計算しています。そして、それを5年で20万人にしようという数値目標を出しています。私は、ぜひ女性技術者・技能者の方が、1人の後輩を手塩にかけて育ててほしいと思います。そうすると、すぐ倍の20万人になります。皆さんには、1人後輩をつくるということを心掛けていただきたいと思います。
◆建設業で働く女性、将来を担う女性へのメッセージ
柴田:
弊社の土木部門には、ここ4年間に毎年4人ずつの女性が入社しております。けんせつ小町委員会の委員長は弊社の会長が務めていることもあり、他のゼネコンに遅れをとらないようにと女性が働きやすい環境整備を積極的に進めているところです。ただし、男性だけで考えてはいけないと感じています。女性活躍推進に女性の委員を多く参加させて感じたのは、男性目線だけでは発想が伴わないことがあるということです。女性の皆さんたちにもっと発信していただければ、どんどん変わっていくのではないかということです。先程、育休の話がありましたが、弊社の土木部門でも約1年半前にテレワークをやらせたいと提案したことがあります。しかし、「前例がない」と言われたものですから、「前例は作るものだ、本人は困っている」という思いで実施しました。最終的には3カ月後、会社の規則になりました。皆さんの強い発信力があれば環境は変わっていきますので、ぜひ発信し、環境を整えていただきたいと思います。
児山:
今日のメンバーの顔ぶれを見てもそうですが、建設業界というのは色々な方が集まって一つの建物をつくる、という他の業界にはない魅力があります。土台をつくる人、塗料メーカー、建材をつくる方々、内装、外装する方、足場を組む方、交通整備する方など、大勢の方が関わってはじめて一つの建物ができます。これは他の業界にはないことなので、自信を持ちたいと思います。そして、業界には安全で働きやすい環境が不可欠です。女性特有の正確できめ細かい粘り強い仕事ぶりは、安全で働きやすい環境をつくるためにも求められていると思います。ぜひ皆さんと一緒に建設業界で頑張っていきたいと思います。
藤代:
私は、この業界で働くことに誇りを持っています。会社に初めての女性を登用するときは、やはり抵抗も大きいかもしれませんが、自信をつけさせる育て方をすれば、活躍し、長く続けようという気持ちに絶対なると思います。私も入ったときは、「男性の3倍、4倍頑張らないと同じ土俵にあがれないんだぞ」と言われ、性別の違いを痛感しすごく悔しい思いをしたこともありました。しかし、現場で分け隔てなく指導いただき、経験させてもらったことでJABEE認定課程修了者の経歴を生かし、技術士の受験に向けて、早い段階からチャレンジしようという気持ちが芽生えました。そして、資格をとることで、周りの人もだんだんと女性ではなく技術者として扱ってくれる機会が増えました。これから女性の活躍や女性をもっと増やそうと考えている会社の方たちは、恐れずに色々なチャレンジを女性にもさせていただければと思います。
藤原:
先ほど、「指を差される」「腐ったミカンを投げられる」というお話がありましたが、ヘルメットをかぶり、安全帯をして、安全靴を履いて、飛び回っている現場で、なぜミカンを投げつけられるのかなと思いました。現場で立派に働いているお母さんはたくさんいますので、世間の皆さんにはそういうイメージにとらわれないでほしいと思います。そして、若い子たちがしっかり結婚や子育てし、もう一回復職して現場に出られるという選択肢がある業界になってほしいと思います。設備女子会の交流会ではざっくばらんに色々なお話ができます。子育てや夫婦の関係などに興味がある方は、まずは設備女子会に入会して交流していただければと思います。
村瀬:
私は、女性の感性や考え方というのが今の建設業界には絶対必要だと思っています。ですので、皆さんがどんどん声を挙げていくと、小さな声がいずれは大きな声につながっていくと思っています。ぜひ今後も頑張っていきましょう。
村田:
今年入社した建築設計の女性が、「村田さんがいるから、結婚、出産、育休、そういったのに抵抗がない」と言ってくれました。私自身は、現場のときも含め、本当に毎日、無我夢中でやっているだけです。しかし、その姿を見た後輩の女性や男性が、「抵抗がなくなった」「自分も育休・産休を安心してとれる」と言ってくれました。
ここにいる皆さん全員が、このような形で後輩に道しるべをつくる方々だと思っていますので、本日はいい機会になったと思います。これからも、このようなメンバーでお会いすることがあるかと思います。狭い世界ですが、今後広がっていく世界でもあると思います。
渡邊:
弊社では、私より上に女性の先輩がいません。私のひと回り下に、女性の後輩が2年前に入ってきて、今は一緒に仕事をしています。私より上の先輩がいないので、私自身がその後輩の手本になるように、これからしっかりやっていきたいと思います。皆さんの今日のご意見を参考にして、これからも頑張ってまいります。
和田:
今日は、出産や結婚をされても仕事を続けられている方からお話を聞けることは、すごい勇気になりました。自分はまだ入社して半年しかたっていないので、結婚のことも出産のことも全然考えられなくて、今のことだけで精いっぱいです。会社には女性の技術者がいないので、もし自分がそういう立場になったときのことを考えると、他社の取り組みを聞かせていただけるような場をつくっていただけるのは、本当にありがたいと思います。こういう場をもっと広げていきたいと思っています。
籠田:
皆さまの非常に力強くて、愛のあふれるメッセージをたくさんいただきました。本日お越しの皆さまにとっても、これからのお仕事のヒントになることがたくさんあったと思います。会社に持ち帰って、日常生活で生かしてください。
それでは最後に本日の建設産業女性活躍セミナーを主催していただきました国土交通省の中野さんから講評をいただきまして、パネルディスカッションを終了します。
中野:
本日は建設産業女性活躍セミナーにご来場いただきありがとうございます。またパネリストの方々にも、闊達なご意見や素晴らしいプレゼンテーションをいただき、まさにご活躍されているなと印象づけられました。頼もしく思うと同時に、よりこれらのご活躍を広く皆さんにPRして広げていきたいと思っています。
国土交通省では、「建設業で活躍される技能者・技術者の数を10万人から2倍にする」という目標を掲げています。2倍という数字はなかなか達成が難しいのですが、女性が活躍できる環境を整えることは、すなわち男性、女性、若い方々、ベテランの方々など、 全員が活躍しやすい環境になることだと思います。そのきっかけとして女性というキーワードで事業をやることで、建設業界の働き方改革や働きやすい環境を構築することにつながるという気持ちでやっています。引き続きこれからも取り組んでいきたいと思っております。
二点、お願いがございます。一つ目は、経営者の方々へのお願いです。我々も全力で取り組んでいるつもりですが、どうしても経営者の方々に実際に動いていただかないと、絵に描いた餅ということで何も変わりません。例えば、籠田さんから「一回家に帰って、洗濯してもう一回会社に来る」「子どもが学校に行きたくないと言ったので、会社に連れて来た」というお話がありました。これは意外にすごいことでして、こういう環境のおかげでその方は辞めずに済んだのかもしれません。経営者の方々には、役に立つかを考えていただきつつ、今日の話の中で一つでも二つでもできそうなことがあれば、実践していただけるとありがたいと思っています。
二つ目は女性の方々へお願いです。今日は若い女性の方にも数多く来ていただいています。皆さんには、ぜひ横のつながりを一層強くしていただきたいと思います。仲間が1人でも2人でも多くいると思いながら働くと、辞めようと思う場面も少なくなると思います。また、ベテランの方々は、こういった若い方々が自分の背中を見ているのだとあらためて感じていただき、より一層ご活躍ください。今日はありがとうございました。

建設産業女性活躍セミナー in 名古屋


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