建設産業女性活躍セミナー in 福岡

建設産業女性活躍セミナー in 福岡建設産業女性活躍セミナー in 福岡

印刷データ(PDF)はこちら

開催日時
平成29年12月20日(水)
14:00〜14:30 基調講演①
14:30〜14:45 基調講演②
14:45〜16:00 パネルディスカッション
16:00〜17:00 名刺交換・交流会
開催場所
福岡建設会館
基調講演①
「建設業を女性の一生の仕事に~男女共創の幕開き」
有限会社ゼムケンサービス 代表取締役 籠田淳子氏
基調講演②
「最近の建設産業政策について」
国土交通省 土地・建設産業局 建設市場整備課 主査
渡邊 広樹氏

パネルディスカッション

テーマ
「建設産業において、さらなる女性の入職及び定着を促進するためには」
概 要
○コーディネーター

籠田 淳子氏
有限会社ゼムケンサービス 代表取締役

○パネリスト

植田 直子氏
有限会社道下組 専務取締役
(一社)日本左官業組合連合会
下川 愛氏
オリエンタル白石株式会社
(一社)土木技術者女性の会
菅原 綾子氏
株式会社内藤工務店
(一社)福岡県建設業協会
田中 ひとみ氏
株式会社ワイビーエム 主事
西岡 真帆氏
清水建設株式会社
人事部ダイバーシティ推進室長
(一社)日本建設業連合会
土師 尚子氏
株式会社荏原製作所 風水力機械カンパニー
標準ポンプ事業部 西日本営業部 営業九課 担当課長
(一社)建築設備技術者協会 設備女子会
渡邊 広樹氏
国土交通省 土地・建設産業局 建設市場整備課
主査
原田 佐良子氏
国土交通省 九州地方整備局 河川部河川管理課 課長補佐
(九州女性技術者の会会長 通称:九WE会)

 

パネルディスカッション

建設産業において、さらなる
女性の入職及び定着を促進するためには

 

籠田:
皆さん、こんにちは。今日は、建設産業におけるさらなる女性の入職及び定着に関して議論するために、九州の現場で活躍されているたくさんの女性をパネラーとしてお招きしました。現場の生の声をしっかり皆さんに届けて、この建設業界が女性そして若い方に魅力がある環境になるように風穴を開けたいと思います。それでは、それぞれどのようなお仕事をされているか、周りにいらっしゃる女性の状況などをお話いただけますでしょうか。

籠田 淳子氏 (有)ゼムケンサービス 代表取締役

籠田 淳子氏
(有)ゼムケンサービス 代表取締役

◆女性が活躍するうえで課題として感じていること〜自己紹介を兼ねて

 

植田:
私は、福岡市で経営者として左官・タイル業を営んでいます。左官業はガテン系といわれており、特に女性が入職しにくい業界です。しかし、少しずつですが、女性の入職者は増えております。弊社でも今年から女性の新入社員が1名入社し、今も現場で頑張っております。今後も女性の入職・定着が促進し、そしてますますものづくりに女性が参加することを期待しております。弊社においても女性を少しでも多く採用・育成して、技術を高めていきたいと思います。

植田 直子氏 有限会社道下組 専務取締役 (一社)日本左官業組合連合会

植田 直子氏
有限会社道下組 専務取締役
(一社)日本左官業組合連合会

下川:
私は、大学卒業後に橋梁仕事に携わりたいと思い、オリエンタル建設(株)へ入社致しました。新設や既設橋の設計業務に携わった後、入社6年目に現場勤務となり、2つの現場を経験しました。そのうちのひと現場では、監理技術者及び現場代理人を任されました。入社6年目とはいえ現場職員としては新人。出来るのだろうか・・・と、不安をかかえながらの毎日でしたが、周りの皆さんに支えてもらいながらやり遂げられました。
当時は現在のように女性活躍の後押しはそれほどなく、女性が現場へ出ることもあまり歓迎されない雰囲気があった頃でしたが、 女性でも「土木の仕事、現場でモノを造る仕事に携わることができるのだ」と、自信になりました。この時の経験があるおかげで、今もこの仕事を続けられていると思っております。
その後は内勤となり、設計や現場をサポートする業務に携わっていましたが、10年目を過ぎた頃、「土木技術者として働き続けていいのだろうか、現場へ出て活躍できていない女性の技術職が施工会社にいてもいいのだろうか」と、とても悩みました。
一方、モノを造る仕事において計画から設計まで携わってみたいという思いもあり、一大決心して設計コンサルタントへ転職しました。転職後は設計に携わっておりましたが、体調を崩してやむなく退職し、実家のある大分で臨時職員として行政の仕事につきました。
この間も、この先もずっと土木の仕事を続けるかどうか悩んでいましたが、民間企業や行政で仕事を経験して、「自分のやりたいことは土木の仕事、橋を造る仕事」だと気づき、オリエンタル白石(株)へ入社しました。
入社後は工事部に配属され、現場勤務となりましたが、40歳からの現場勤務、橋梁施工の仕事に5年間のブランクがあるなかでやっていけるだろうかという不安を感じるとともに、「女性活躍」という言葉も大きなプレッシャーになりました。「どんな活躍をしないといけないのか」、「女性も男性に負けないくらいバリバリ現場で働くべきなのか」とすごく悩みました。
弊社には社員669名のうち、女性の技術職は12名で、私は最年長となります。入社した頃には先輩もいましたが、結婚や出産を機に退職されてしまい、自分の身近に目標となる、悩み事を相談できる女性の先輩がいない状況です。
社外では活躍されている女性はいらっしゃいましたが、実際にお会いしてお話をする機会はありませんでしたので、独り悩むことが多かったです。
そのようなときに、今回私を推薦してくださいました「土木技術者女性の会」の存在を知り、入会したことが大きな転機となりました。会には民間や行政で活躍されている会員さんや学生会員さんもいらっしゃいます。色々な方のこれまでの経験や現在の状況等についてお話をきくことができたことや目標となる先輩が身近になったことが、不安な状況を打開してくれました。
「これから、自分がどういうふうに過ごしていけばよいのか」、「どういうふうに活躍していけばいいのか」ということも見えてきましたし、“女性活躍”ということばが他人事から自分事に変わってきました。

下川 愛氏 オリエンタル白石株式会社 (一社)土木技術者女性の会

下川 愛氏
オリエンタル白石株式会社
(一社)土木技術者女性の会

菅原:
私は、今年の3月に建設系の専門学校を卒業して、4月から(株)内藤工務店で新入社員として働いており、マンションの新築工事の施工管理として現場に出させていただいております。まだ完成した物件に一つも携わっていないので、工事について勉強をしている立場です。弊社では、施工管理として採用された女性は私が初めてで、これから女性が増えていくことになりますので、その先駆けとして会社の皆さんからの期待をプレッシャーに感じつつ、頑張っております。
実際、工事現場で働くと周りに女性はほとんどいません。やっと最近、内装関係の建具業者に1人女性がいたくらいで、皆さん男性ばかりです。
年配の方が多く、自分は入社前に、現場で働いている職人さんは怖そうと思っていましたが、意外と皆さん優しく接してくれてなんとか頑張っております。しかし、皆さん男性なので、「それ運んでおいて」と言われて全然運べなかったりとか、一つのことをするのにすごく時間がかかってしまったりと、今はまだ迷惑をたくさん掛けながら、教えてもらっています。なんとか女性ならではのこと、女性だからこそできることを見つけて役に立っていきたいと思っています。

菅原 綾子氏 株式会社内藤工務店 (一社)福岡県建設業協会

菅原 綾子氏
株式会社内藤工務店
(一社)福岡県建設業協会

田中:
私が所属する(株)ワイビーエムは、「地下と水の技術で明日の美しい地球環境づくりに貢献します」という経営方針のもと、地盤改良機やボーリングマシンという地面に穴を掘る機械と、水処理関連の装置を製造販売している機械メーカーです。私は水処理装置の設計を担当しております。弊社では300人弱が働いていますが、女性は全体の15〜20%で、やはり男性が多い会社です。女性で技術職として採用されたのは私1人で、他の方々は事務で働いています。そのため、女性技術者の先輩に相談する機会もなかなかありませんし、社内に同じ立場の方がいらっしゃらないので、どうしたらいいかわからないことも結構ありました。今回は、同じような立場の方々とお話できる貴重な機会をいただきましたので、よろしくお願いいたします。

田中 ひとみ氏 株式会社ワイビーエム 主事

田中 ひとみ氏
株式会社ワイビーエム 主事

西岡:
私は、平成7年に清水建設(株)に入社しました。土木の技術職として入社しましたので、新入社員の頃から現場監督をしてきましたが、23年前はほとんど女性がいなかったものですから、どこに行っても「女だ、女だ」と職人さんから避けられました。そんな中で、ただ土木という仕事をやりたいし勉強もしたかったので、なんとか現場を楽しむことができました。弊社にはジョブローテーションという仕組みがあるため、その後内勤となり、シールドの開発や自分の中では一番長いキャリアとなるコンクリートの専門部署で、全国色々な生コン工場や現場に行き、「コンクリートを練って打つ」を繰り返す生活をしていました。ここ福岡でも、博多周辺のシールド工事などをやらせていただきました。
そして、女性活躍の気運が高まる3年前に経営企画部で1年間経営の勉強をした後に、現在の人事部でダイバーシティ推進室の室長を務めることになりました。弊社でも女性の技術者をどんどん増やしており、設計や研究職、現場の施工管理も含めて、現在、社内には400名ぐらい女性の技術者がおります。そのうち現場に出て施工管理を担っている者は100名を超えるようになりました。当然、若い世代が多いので、結婚して出産しても、働き続けられるような施策を会社では色々行っています。そのため、女性の離職率は低くなりました。その後、彼女たちがどうやってキャリアを積むのかということが今後の課題になっています。
次に、日建連の取組を簡単にご紹介いたします。日建連では、女性活躍に向けて業界全体として取り組んでいます。「けんせつ小町」という言葉をご存じの方も多いと思います。建設業で働く全ての女性を「けんせつ小町」と呼ぼうと、一般公募した名前です。今日この会場にいらっしゃる方はもれなく「けんせつ小町」です。あと、男性陣などに対して、「けんせつ小町」を応援し、支えていただくための啓蒙活動も広く行っているところです。
もともと現場には男性しかいなかったので、当然トイレや更衣室がなく、私もないのが当たり前だと思っていました。更衣室についても「こっち見ないで」と言って、着替えたりしていましたが、それは、よく考えるとおかしいことです。「女性用のトイレをつくろう」「女子だっているんだから、男性はその辺で着替えないでちゃんと更衣室で着替えてね」という当たり前のことを、今の現場で実現させたいと思っています。そのために、女性が働きやすい現場の環境整備マニュアルやチェックリストを作っています。これらは日建連のホームページからダウンロードできますので、「女性活躍といっても何をすればいいかわからない」場合は、このマニュアルのここからやろうという風に使っていただければと思います。
また、現場は仮囲いに囲まれているので、女性が働いていても外からは全然分かりません。「現場には男しかいない」と思われているので、「けんせつ小町」もいることを伝えることが大切です。そこで、「けんせつ小町」のオリジナルグッズである仮囲いに貼る看板や垂れ幕などを作成しています。女性も活躍している現場ですとアピールすると、一般の方も「女性も建設業で働ける」と思いますので、こちらもご利用ください。
それから、業界を知ってもらうために、現場見学会を全国各地で積極的に開催しております。見学会のいいところは、実際参加してくれる小学生のお子さんだけではなく、保護者の方にアピールできることです。建築や土木の道に進みたくても、お父さんやお母さんに反対されて諦めるという人もまだまだいるようなので、保護者の方に建設業がどういう仕事であるのかアピールできます。また、「けんせつ小町」同士のつながりをつくりたくても情報がとれないという声がありましたので、ホームページも開設しております。今は、Facebookも立ち上げておりますので、相談や同じ悩みを抱えている人がいる現状を知ってもらうために、こういったツールもご利用いただければと思います。

西岡 真帆氏 清水建設株式会社 人事部ダイバーシティ推進室長 (一社)日本建設業連合会

西岡 真帆氏
清水建設株式会社
人事部ダイバーシティ推進室長
(一社)日本建設業連合会

土師:
私は、大学の専攻が文系の法学部でしたが、なぜかポンプ、送風機のメーカーである(株)荏原製作所に入り、入社の3日前に所属が営業だと告げられました。最初は一般職のセールススタッフとして、家庭用のポンプや設計事務所さんなど、特定のお客さまに営業する、限定的な営業をやっていました。しかし、なかなかセールススタッフは長く続かなくて、15年ぐらいはやりましたが、だんだんみんなが辞めていき少数派になりました。そして、一般職か営業かという岐路に立たされたので、営業を続けるために途中で総合職に転換しました。
もともと設計事務所の担当で、その後、大手の設備業者を担当していましたので、営業としては特に困ったことや嫌だと思ったことはありませんし、途中で結婚や出産がありましたが、復職してからまた営業を頑張っております。
弊社はかなり大きな会社ですが、営業には女性があまりいません。工場には女性技術者が最近だいぶ入ってきており、営業や管理職の女性を増やすことが今の私の目下の目標です。会社としては、ダイバーシティの推進のために、30名くらいの女性を選抜して、東京に集まって行う管理職研修を年4回開催するなど、研修に力を入れています。丁度、この取組が一段落しましたので、今度は、私たちよりもう少し下の、管理職の卵みたいな人たちを選抜して行う研修をダイバーシティ室に提案しました。会社は、下を育てないと管理職に上がる比率が上がらないことはわかってはいましたが、どう改善していいかわからないのが実状でした。ですので、管理職の研修と、もう一つ若い世代の研修の両方を行い、それを合同研修にすることにより、女性活躍を推進する中心的な人材が交流できる場を作ってくださいと、先日、会社にお願いしたところです。
メーカーの営業というのは、正直忙しいものです。最初は「あんな奴で大丈夫か」みたいに言われていましたが知識がつけばよいのです。お客さまにとっては、男女の関係なく、自分がお困りになっている設備のことに対してメーカーとしての答えが出ればいいので、営業として性別を気にしたことはありません。しかし、先入観で「大丈夫?」みたいに言われ、ちょっと悔しい思いを何度かしました。
しかし、今ではもう20年も営業をやっており、長いお付き合いのお客さまたちは「土師に聞けば分かる」と言ってくださっているので、大変感謝をしております。今後は、もっと営業の女性管理職を増やしたいと思います。そして出産をして管理職になった女性が、私のセクションにはいないので、もっと増やしていけるように色々会社に働きかけたいと思い、活動しております。

土師 尚子氏 株式会社荏原製作所 風水力機械カンパニー 標準ポンプ事業部 西日本営業部 営業九課 担当課長 (一社)建築設備技術者協会 設備女子会

土師 尚子氏
株式会社荏原製作所 風水力機械カンパニー
標準ポンプ事業部 西日本営業部 営業九課
担当課長
(一社)建築設備技術者協会 設備女子会

籠田:
続いて、九州地方整備局の課長補佐の原田さんに、ご当地九州での女性活躍の状況やトピックスをお話いただきたいと思います。よろしくお願いします。
原田:
現在、九州地方整備局の女性技術職は、技術系職員全体の4パーセントぐらいしかおりません。私は平成2年に入所しましたが、当時土木で入ったのは私1人で、それから少しずつ増えてきておりますがやはり少数のままでした。しかも、顔を知らない状況もありましたので、まず、顔を見られる場をつくりたいと思い、九州地方整備局の技術職の女性を集めて、九州女性技術者の会を設立しました。実は今年で10年になりました。
これまで何を行ってきたかといいますと、生き生きと働き続けることが大事なので、そのようにできる職場づくりを目指してきました。また、女性の視点が活かせると思い、技術者を目指す女子学生へ地方整備局の魅力や土木の魅力を知っていただくためのサポートを行ってきました。この10年間、リクルート活動などの色々な場面で、会のメンバーが説明をすることにより、「土木を勉強しているけれど、これから就職していけるのだろうか」という女子学生の不安を、少しでも解消することができたのではないかと思っています。こうした大学や工業高校への説明が非常に好評であることが功を奏して、九州地方整備局への入所者が増えてきました。
それから、建設業に携わる女性は少数派でもありますので、同じ行政である福岡県や福岡市、それから最近はコンサルタント業界や測量関係など、土木に関わる色々な職種の皆さんと意見交換をしております。「少数派だからこそ役所や組織の壁を越えた形でネットワークをつくりたい」というお話をしております。それによってメンバーのモチベーションも上がりますし、土木の魅力を考えるときに、色々ヒントをいただけるので、そういった活動をどんどん広げたいと思っています。そして「建設業界って素敵だな」と思っていただける方がどんどん増えていくような取り組みを進めていきたいと思います。
籠田:
今、国土交通省では建設業で働く女性の数を増やすという目標を掲げています。女性が増えていくためには、まず「建設業に入ってもらうこと」、そして「定着していくこと」という二つの要素が欠かせません。当然、女性の数を増やすだけでは駄目です。そのためには、処遇の改善が必要であり、「どのようにしてやる気を維持してもらうか」「長く働いていける環境を整える」ことが必要だといわれています。本日のパネラーは、非常にフレッシュな方から、私のように「われわれ現場で戦ってきたぞ!」という女性まで、本当にさまざまです。
若い方々は、建設業に対してどんなイメージを持たれているのかをお聞きしたいと思います。
◆建設業の正しいイメージを定着させるための工夫が必要
菅原:
父が施工管理をしていたこともあり、小さい頃から現場に遊びに行くことはありましたが、あまり職人さんなどに直接関わったことはありませんでした。そして、この業界に入りたいと父に話すと、現場に行く女性は少ないし、3Kであって、きつい、汚い、危険だよとかなり反対されました。そして私自身、持久走も遅いほうだし、50メートル走も10秒台など、身体能力が低かったので、やっていけるのかなと不安に思いました。また、子どもが大好きなので、将来は結婚や出産をしたいのですが、実際に、「現場で働きながら育児ができるのかな、仕事を続けられるのかな」という不安もすごくありました。それは入社後も変わりませんので、会社側の体制も含めて、どれほど環境が整っていくのかが不安です。
籠田:
ライフイベントに関しては、行政からもさまざまな指導がありますし、私たち自身も提案することが可能な時代になってきていますので、とてもチャンスだと思います。田中さんはいかがでしょうか。
田中:
私は今33歳で、入社9年目になりました。実は私は大学では理学系で学んでおり、土木に関わったのは入社してからになります。入社前は、「男性の職場で、頑固なおじちゃんばかりいるだろうな」というイメージでしたし、土木には女性が入りづらい印象でした。しかし実際に入ってみると、周りの人にすごく恵まれ、いろいろ気に掛けてもらいました。今まで「女性だから」と差別されたり、不便だということは幸いなことにありませんでした。ただ、結婚した今になると、これから子どもができたときや、親の介護などのイベントが発生したときに、現在と同じ仕事内容を続けることができるのかと、非常に不安に感じることが多々あります。
周りにはやはり男性が多いので、社内の制度的には、男性の育児休暇や介護休暇などが整っていますが、実際に取ったことのある男性を見たことがありません。制度は整っていても、申請が心理的にしづらい状況にあると推測します。やはり皆さん、奥さまがお子さんの面倒をみたり、ご両親の面倒をみたりされているのかなと思います。育児休暇など、長期の休みを取ることに対して、本当に周りの理解が得られるのだろうかという不安があります。
籠田:
建設業は、やはり「怖い人が多い」「話し掛けていいのかな」「頑固一徹」というイメージだったのは間違いないと思います。私も現場に最初に出たときは武装しました。「私に話し掛けたら、怒るよ」というような状態じゃないと、職人を動かすことはできないという発想でした。しかし、今はどうでしょうか。実際、現場に行くと随分やわらかくなっています。このことが社会全体に伝わっていくにはもう少し時間がかかりそうなので、もっと工夫が必要です。
また、身体能力に関しては、重たいものを持つことにひと工夫必要です。
植田:
私は左官業・タイル業ですので、やはり重たい荷物が非常に多いです。工具にしても、材料にしてもそうで、砂袋という形で運びますが、砂袋の砂の重量が30キロから40キロになります。水を含んでない状態で30キロ、これが雨などで水を含みますと、40キロになります。それを持っていくのが1回だけならいいですが、通常の作業ですと300袋から500袋を搬入しなければいけません。弊社の仕事は、デパート関係や商業施設が多いので、台車に乗せて運ぶ形になるため、台車で何往復もしなければなりません。セメントなどは、「今、軽くなったね」と男性の方が言われますが、重さは25キロです。以前はさらに重かったということで、女性にとって25キロは非常に重いと思います。左官業においては、男性であっても、長年このような仕事をしておりますと、腰を痛めている方も多いです。このような部分は、これからロボットなどを導入できるのではないかと思います。
手づくりの世界では、左官業はこれから注目されていく分野だと思います。ただし、タイルや石などの何百キロのものをばらして運ぶにしても相当重たいので、やはり運搬が課題です。
また、研削に使うディスクグラインダーという電動工具も一応ありますが、男性が片手で握って作業がしやすい径になっています。女性だと、どうしても両手で持たないとちょっと危険かなと思うと、片手でものを持って切ることができません。そうすると、何かまた工夫をしなければならない。現場ではこのようなことが多いと思いますので、なんとかしていただきたいです。職人の世界では、「黙ってしろ」が通念です。今までは教育というよりも、「人のやっているものを盗め」という世界でしたが、そこを変えなければいけないと思います。弊社の従業員には、きちんと言葉で説明をしなさいと教育しています。「技術を盗む」という時代錯誤は、もう卒業していただきたいと考えております。
これからは、女性が現場に入ってきて、女性目線から色々な発言が出てくると思いますが、「これはちょっと困るな」と思うものに一つ一つ真摯に向き合っていただきと思います。もしかすると、男性も困っていたかもしれないことを今まで見過ごしていた、それが事故にもつながっていたのではないかと私は考えております。
安全な現場を少しでも増やすためには、男性であろうが、女性であろうが、また熟練された職人さんたちからであろうが、知恵を借りる必要があると思っております。そういう環境づくりという部分では、女性の目線というのは決してこれから負荷になるものではなく、逆に付加価値がつくものと考えていただきたいと思っています。
籠田:
私も大工の娘で、植田さんも左官屋の娘なので共通するところがあります。幼稚園の頃、私は、セメント1袋50キロを引きずりながら、10円のお小遣いを稼いでいました。昭和46年にセメントは50キロから40キロになり、平成8年に25キロに変わり、びっくりしました。実は一時的なら女性でも容易に持てる重さが25キロといわれています。しかし、継続作業は15キロです。ただ、セメント1袋だけを運ぶのではなくて、何回も継続してやらないといけません。それには女性も腕力が必要です。入社1年目には、女性は体力づくりをします。男性の考えでは、「なんでそんなことしないといけないのか。セメント運ぶのに工夫しないといけないのか」という先入観があります。しかし、女性の植田さんがいらっしゃることで、若い女性が頑張っていけるということは、素晴らしいなと思いました。
「黙ってしろ」ということに関しては、男性は緊張感があるところでは黙っています。しかし、女性はやらなければいけないという緊張感があると思ったらしゃべり出します。しゃべらないと分からないし、しゃべらないと女性は元気になっていかない。そういう男女の違いを、男性には知っていただきたいなと思っています。
若い人には色々なライフイベントがありますので、仕事を続けていけるのだろうかという不安を、本当に多くの方が持たれていると思います。参考となるような事例や、女性に対して企業側としてやるべきことなどについて、ご紹介いただけませんでしょうか。
◆情報を共有して不安を解消し、仕事を続けられる環境を整備することが重要
西岡:
先ほど、弊社では女性の離職率がとても低いというお話をしました。といいますのも、今までは、結婚や出産のときに、例えば「一緒になる方の勤務地が合わないから辞める、結婚相手について行きたいから辞めざるを得ない」「出産後、前と同じ仕事に戻れないのであれば辞める」ということがありました。そこで、本当はどうしたいのかとじっくり面談をしました。例えば「結婚相手が遠いところに住んでいる」という理由であれば、勤務地を変えるようにしています。また、もともと施工管理をしていた女性が、子どもを出産して復職したときには、受入れ現場から「今まで時短を現場で取った例なんて聞いたことない」と言われても、「だったら逆に一番にやってくださいよ」と所長に頼みこみ、実行してもらいます。本人も周りも最初はやりづらそうにはしていますが、ワークシェアというお話が先程ありましたように、現場の担当も2人1組でやるなどの工夫が生まれて、かえって品質上もダブルチェックされるという良い面もあります。
あとは、今、働き方改革が流行っていますので、新しいことやるときは「働き方改革でしょ!」と言って、色々なことにチャレンジしてもらうよう会社に働きかけています。
土師:
弊社でも働き方改革が流行っています。働き方改革といっても、要は「効率を上げて、早くみんな帰ろうよ」というものなのですが、そのためにはシステムに頼る必要があります。今、本当に苦しみながら取り組んでいるところで、今までアナログでやっていたところを、なるべくシステム化しています。また、進捗状況を色々な人がシステムで確認できて、関われるようにしました。あとロボットを少し使って、文字認識や音声認識を検討しています。メーカーなので受発注があり、毎日何百台もポンプや送風機を手配するので、納期管理をしています。そのようなことは、なるべく機械を使っています。人口減の時代になるので、人がいなくなったときにもちゃんと機能するようなシステムつくりを目指しています。
こうしたIT化やAIの展開の動向は、大きい企業だからこそ、なかなかシステム化が進まず、かなりアナログといえます。工場も営業畑も本当にアナログです。外部のコンサルが入ると、本当に昭和の会社だとびっくりされます。今、「アナログをどうやってシステム化するか」「こうやったらよくなるのではないか」というのを、コンサルに任せたり、自分たちで考えたりしながら、今からやっと平成の会社になろうとしています。ただ時間があまりないので、これから2年ぐらいの間に変えていき、人が減っても同じ売り上げで、しかも高利益というところを目指しています。
そのため、女性も全員参加です。今まで女性はアシスタントという感じでしたが、もうアシスタントではありません。全員参加で、男性も女性も与えられた役割について、専門窓口みたいなものを作りまして、その窓口になった人は専門的にそれをやりましょうという取り組みをやっているので、だんだん業務的にも違いがなくなってきました。営業は別ですが、裏方の業務については男女関係なく、そのポストについた人があれもこれもやろうというような専門性を求めたやり方を推進中です。

建設産業女性活躍セミナー in 福岡

 

籠田:
定着にあたっては、ライフイベントである介護、結婚、子育てが不安だという話がありましたが、それを解消するにはやはり情報の共有が重要です。現場で孤独で仕事をしているときに、先輩たちのいい仕事が情報として共有することができたら、非常に心強いですね。
お話をお聞きしていると、大企業は決定プロセスが長過ぎてなかなか決められません。特に「俺、聞いてないよ」という言葉を、私はしょっちゅう聞きます。そもそも色々な情報に対して、アンテナを敏感にしていただかないと困ります。弊社はとても小さな会社なので、全員がノートパソコン、iPad、スマホを活用しています。現場に女性が1人で行っても、その場で写真や動画を見せながら、詳しい女性や男性、先輩方と共有しながら確認して、ときには職人さんにダイレクトに話をしてもらいます。このように、とにかく「孤独」という不安は工夫でなくすことができます。中小企業こそ、女性活躍に手をつけないと、もったいないと思います。大企業ももちろん頑張っていますが、今は中小企業の女性活躍のほうが早く進む可能性が高いと私は思っています。
土木技術者女性の会をはじめ、パネラーの皆さんが所属する色々な業界団体に共通することは、建設業の正しいイメージを多くの方に知っていただきたいということです。しかも、業界内に留まらず、この建設業の実態を国民全体に知っていただきたいです。そのために色々なことを、私たちは声に出してどんどん言っていく必要があります。ぜひ、下川さんのエピソードをお話してください。
下川:
会社からあまりよくは言われないのですが、私は作業服を着たまま色々な所へ出掛けます。時にはデパートなどへも行ったりします。あるとき、友人の家へ作業服のまま行った際のエピソードなのですが、そこの小学生の娘さんが、私の作業服姿を見て、何の仕事をしている人なのか尋ねたそうです。友人が、橋を造る仕事をしている人だと話したところ、「わあ!橋を造っている女の人に初めて会った」「わあ!すごい!」と言ってくれたそうです。
私はきっと驚いて「なんでそんな格好しているのだろう」と言われるのではないかと思っていましたから、「わあ!すごい!」という感想をいただけたことに、びっくりしながらも、とても嬉しく感じました。作業服を着てうろうろすることも、女性が建設業の現場で働いているというPRになると思います。
籠田:
弊社でも、女性社員には「作業着を着なさい」と言いました。実は、なかなか作業着を着ませんでした。上だけ、というようなことがしょっちゅうありました。私が、「上下、きちんと着なさい」と言いますのは、「作業着に誇りを持ちなさい」ということなのです。これはすごく大事なことです。郷に入りては郷に従えで、建設業の現場でお互いに尊敬し合うために、見た目を整えていくことは、とても大事だと思っています。私自身も作業着に誇りを持っている人間なので、作業着を着ている若い女性を見て、若い世代が好印象を持ってくださるというのは、とてもうれしい気持ちになりました。
今日は会場を見渡すと、女性がこんなにたくさんいます。とてもうれしいことです。せっかくですので、ご意見いただきたいと思うのですけど、いかがでしょうか。
女性:
貴重なお話を聞かせていただきまして、本当にありがとうございます。私は設備女子会の運営に携わっております。土木女子や下水道女子など、色々な業界でも女性が集まってらっしゃいますので、そういった業界同士を横断できるような場があればさらにいいなと思っております。ぜひ、どなたかそういう場を設けていただければと思います。
籠田:
女性のネットワークというのは、絆が強いものです。女性活躍セミナーは全国10都市をまわり、この福岡で千秋楽となりますが、本当に全国、大好評でした。皆さんの熱い思いを共有し、ぜひもう一回集まり、このネットワークや絆をもっと強くしたい、継続していきたいという思いが深まり、3月1日に全国大会を行うことが決まりました。ぜひ、色々な団体、色々な会社でお仕事をされている、建設産業に関わる女性はどなたでも参加していただきたいです。
私が調査したアンケートによると、今、建設産業の全ての会社が「女性を採用したい、活躍させたい」と思っているという結果に、正直びっくりしました。男性と女性の数を同じくらいに現場をしたいと思っている建設業の経営者は本当にたくさんいるのです。
たしかに、女性が現場で作業をするときに、どうしても重たくて誰かに手伝ってもらわないといけないときがあります。ある会場では、若い女性技能者の方が、「荷物を持とうか」と言われ、悔しくてたまらなかったというお話がありました。本来ならば「手伝おうか」と言われたら、当然うれしいことです。私なら、「全部持って!」と思ってしまいます。しかし、そうではなく、やはり一人一人はさまざまな悔しい目にあって、ちょっと手伝おうかと言われる声を、まともに「ありがとうございます」とまだまだ言えない現場なのです。ここをどのように変えていくのか。
そして、女性が2人でやっていくような、誰かと誰かで組み合わせてやっていく仕事があります。これからは高齢化が進みますし、さまざまな人たちが働くことにもなります。その時に、会社としてやるべきことが、すでに課題として見えています。女性を活用していくということは、それぞれが本当に楽しくて仕事にやりがいを持てる現場をつくりだすことだと、私はかねがね感じています。
最後に、パネラーの皆さまに、これから続く建設業の女性たちに応援メッセージをいただきたいと思います。
◆建設業で働く女性、将来を担う女性へのメッセージ
植田:
今はまだ現場の環境が整っていない中で、孤軍奮闘されている女性の方はたくさんおられます。特に左官は、モルタルや仕上げ剤をよく使いますが、これは作業服についてもなかなか取れないものも多く、髪も汚れますし、ほこりをかぶっているような状況の中で、頑張っている仲間がいます。その女性は、伝統的な昔の左官をしっかり学んでいます。左官というのは、白いお城の壁が本来の仕事かなと思っております。コンクリートの下地ではないのです。そういう左官を目指したいという女性の方もいらっしゃいますので、そこにスポットライトがあたったというのは、一つの日本の環境の変化の始まりではないかと思っています。
ただ、「働き手がいなくなるので女性が入ってよ」ではなく、「女性が多い現場だからこそ、素晴らしいものができあがっている」「現場ってこんなにきれいで安全だっただろうか」という新しい環境をつくるチャンスがやっときたのだと思っています。これだけ注目されているので、男性でも受け入れてくださる方も多くなってくると思います。そういった部分で自己実現、自分の能力を磨く、あと好奇心を大いに発揮していただいて、未来を自分たちで描く力を女性で持ちたいです。男性と女性が対等に、そして支え合って、配慮するわけではなく、お荷物になるわけでもなく、それぞれの役割で活躍できるのではないかと、私は信じております。そういった女性を一人でも多く育てていきたいですし、応援していきたいと思っています。
下川:
女性のおかれた環境や年齢に応じた職場環境があれば、どんな場でも活躍できると思います。まわり道をしてもいいと思います。いろいろな部署や経験をし、色々な人と関わりながら辞めずにこの仕事を続けていただきたいと思います。私も引続きそのように進んでいきたいと思っています。
田中:
私は、社内で唯一の女性技術職なので、普段社内で仕事するときは周りには男性ばかりです。今日この場に来て、建設業に関わる女性がこんなにたくさんいることを目の当たりにして、勇気づけられました。この場に来ている男性の方々には、社内の女性の方に、もっと外に出ていくように後押しをしていただきたいと感じました。
菅原:
私は「何の仕事をしているの?」と聞かれて、「建築関係」と言ったら、「え、ビックリ!できるの!」とすごく言われます。しかし、「もう女性でも資料整理だけじゃないぞ」ということをアピールしていきたいので、「何の仕事をしているの?」と聞かれて、「建築」と言って、「ふーん」と言われるぐらいに、当たり前の状態にしていきたいです。頑張りましょう。
西岡:
今、女性活躍が注目されているということで、女性だけを集めて、「何か意見出してみなさい」と色々な会社で取り組まれていると思います。そのメンバーに選ばれた女性たちは一生懸命話し合いをします。しかし、何ら結果に結び付かないと、話す気にもならないと思います。ぜひそういう話し合いのときは、会社のトップを入れるようにしてください。そして、その場で答えを出してください。そういう会議で議論をすると、ただのお茶会みたいにはならないと思います。トップはもちろん、その場で結論を出します。そこで持ち帰るような人は誘っては駄目です。今日会場に来ている男性陣が、もし女性の意見を吸い上げたいと思うのなら、ご自身が参加されて、その上で結論を出してすぐ実行するということをしてください。すると、取り組みがどんどん進むと思いますし、声を聞いてもらえることは、意見を出す女性としてもうれしいと思います。「もっといい提案をしよう、もっと会社に貢献しよう」というモチベーションにもなると思います。面倒くさいと思わずに、積極的に、逆にラッキーと思って、そういう場を作っていただければと思います。
土師:
私はお伝えしたいことが三つございます。一つ目は仕事において、自分の考えをきちんと自信を持って言うことが、とても大事だということです。二つ目は、自分の実力を知ることです。知らないことは聞くし、体力的にも技術的にも「これは無理だな」と思ったら、無理だということを把握して、どうすればいいのかということを毎回考えて実行します。三つ目は、私は子育てをしながらの仕事なので、家族を一番大事にしています。管理職になっても、「参観日に行ってきます」「今日は学級委員だから行ってきます」と言います。ぜひ弊社の男性にも、子どもの行事に平日であろうと参加してもらいたいなと思っています。なかなか平日休んで参観日に行く人はいませんので、私が率先して学校行事に携わって、それを見習っていただきたいという思いです。弊社の女性たちも、子どもの行事に行けばいいし、行って帰ってきて仕事が残っていればすればいいと思っています。そういう環境づくりをぜひ男性に率先してやっていただきたいですし、休みも取っていただきたいと思っています。営業としても、現場に行って女性がいると結構うれしいもので、皆さんと現場で会えることを楽しみにしております。
籠田:
私は、建設市場に特別な思いをだんだん持つようになりました。私たちが人間として活動していくのは、実は全て建設市場なのです。私たちは、建設産業をなくして生きていくことはできません。この業界は、男女関係なくみんな全て関わっています。
建設市場は、84兆円が41兆円に半減し、現在では50兆円になっています。この建設市場は、実はそんなに下がらない見込みです。でも人はどんどん減っています。この業界の人たちは、ここに本当に危機感を持って、建設市場を必ず私たちの力で整備していきたいと思っています。それを引っ張ってくださる建設市場整備課の渡邊さんに総括をお願いしたいと思います。
渡邊:
本日のパネルディスカッションを聞いて、いかが感じましたでしょうか。ここにいるパネリストの皆さんが、もしご自身の会社にいらっしゃったとしたら、ものすごく心強いと思いませんか。
本日ご来場頂いた皆さんは、男女にかかわらず新規入職者の採用・定着で、ご苦労されているのではないでしょうか。実際、建設業に携わる方の年齢構成を見ますと、九州地区において55歳以上の方は実に4割を占め、全国でもっとも建設就業者の高齢化が進んでいる地区であり、このことからも各社において計画的な採用・定着がうまくいっていない状況が予想されます。残念ながら今後もあらゆる業界で人手不足の深刻化が予想され、建設業への入職について、これまでどおりの男性にこだわった採用はますます難しくなっていくと思われます。そこで女性の採用を検討していくことになりますが、経営者の皆様からは、出産や育児などのライフイベントがあり、定着が見込めない上、余剰人員を抱える余裕もなく、なかなか採用に踏み切れない現状があると聞きます。しかし、女性が定着しないのは、思い込み、あるいは問題解決への取組が不十分なのではないのでしょうか。先ほどの籠田さんの講演で、社員の女性が時短勤務をしなければならない状況におかれたとき、その女性と対話してワークシェアリング等で乗り切ったとの話もありました。やはり対話と工夫で問題を解決していくしかないと思います。現に、ここにいらっしゃるパネリストの皆さんは、これまでのさまざまな困難な状況を乗り越え、今、正に活躍されています。
また、私たちには国の女性活躍の支援制度は何かないかというご相談もいただきます。これについては、本日、厚生労働省が作成した資料を配付いたしましたが、育児休暇、産休に伴う方法や社内規則の整備支援や目標を達成したときに助成金が支給されるなど厚生労働省で支援制度を用意しています。中小企業の場合、女性入職時の職業訓練や、産休の際の代替人員の確保などが大変との話も聞きますが、情報のアンテナを伸ばし、こういった支援制度をうまく使って経営に役立てていただければと思います。
本日で全国10都市でのセミナーを無事終えることになります。3月にはこれまで話し合われた問題点等や解決に向けたポイント等の取りまとめを行う全国大会を行います。詳細が決まりましたら、国土交通省のホームページで告知いたしますので、ぜひお時間のある方はご参加いただければと思います。
最後に、国土交通省では建設5団体とともに、平成26年8月に「もっと女性が活躍できる行動計画」を策定し、私たちも平成27年度から女性活躍推進事業に取り組んでおり、このセミナーもその取組の1つと位置づけております。今後も建設業における女性活躍を推し進めて参りますので、また皆さまと関わりが持てるような場を設け、お話をお伺いして、それを施策に生かしていきたいと思いますので御協力をお願いします。また、「こういうことをやったらいいんじゃないか」などアイデアがあれば、是非お寄せいただければと思います。引き続きご支援をお願い致します。本日はありがとうございました。

建設産業女性活躍セミナー in 福岡


ページトップへページトップへ

更新情報をメール通知 通知登録へ更新情報をメール通知 通知登録へ

Do NOT follow this link or you will be banned from the site!