建築一式工事 けんちくいっしきこうじ
建築一式工事は、総合的な企画、指導、調整のもとに建築物(住宅、学校、病院、ビルなどの建物)を建設する工事であり、複数の専門工事を組み合わせて施工する建設工事です。建設工事が安全かつ予定通りに進行するように、建築現場で働くさまざまな専門工事業者(大工工事、塗装工事、内装工事など)を統括するのが主な仕事になります。(現場所長、現場監督など)
志賀 大祐 入職2年目(2級建築士)
菅原建設株式会社/茨城県水戸市
現場に入る複数の専門業者に対して
指導・監督業務を担っています。
現場監督の仕事は、工事の最初から最後まで立ち会う仕事。
設計図通りの施工を証明するための写真を撮影
祖父と伯父が建設関係の仕事に従事していたこともあり、小さい頃から「かっこいい、男らしい仕事だな」と憧れていたんです。中学の時に進路を建設業界と定め、茨城県立水戸工業高等学校建築科に入学。卒業後は水戸日建工科専門学校に通って2級建築士の資格を取得しました。
建築一式の仕事は、建物の建設に携わる複数の専門業者さんに対して指導・監督を行う業務を担っています。具体的には、図面や工程表をもとに専門業者さんの手配から、作業に関する指示、進行状況の確認、施主さんへの報告書の作成など多岐にわたります。設計図通りに施工が進んでいるかを証明するための写真撮影も仕事の一つです。
進み具合はその都度カメラで撮影し、施主への報告書に添付している。
ゼロだったものが徐々に形になっていく
入社2年目ですが、これまでに大小4件の現場に携わりました。現在は、あるカーディーラーさんの営業所移転のための新築工事を担当しています。更地だったところを掘り起こして、鉄筋を組んでコンクリートを流し入れて固めてといった基礎工事が終わると次に建屋の建築工事になります。専門知識を駆使して、ゼロだったものが徐々に形になっていくのを間近で見られるのは感動しますよ。
もちろん思ったように行かないことも多く、苦労することもあります。しかし、建物が無事に竣工した時はうれしく思います。また、上司や先輩から「よくやったな!」と温かい言葉をかけられると、本当にやりがいを感じます。
右/設計図面通りに施工されているかどうか、各種メジャーや定規などを駆使して細かくチェック。
現場の安全第一も重要な仕事
現場では、私が一番の若年者です。朝の日課である朝礼では、私の父親や祖父ほどの年長の方々を前に、本日の作業内容を確認したり、段取りを説明したりといった連絡事項を伝えます。朝のニュースで「午後は雨になる」といった天気予報を入手したら、「作業中に雨になることも考えられます。路面が滑りやすくなるので、皆さん十分に注意してください」といったKY(危険予知)に関する話をすることもあります。夏場なら「水分補給、塩分補充を忘れずに行ってください」といった注意喚起が欠かせません。現場の安全を守ることも私の重要な仕事なんです。
建築一式の仕事をやってみたいという若い人にアドバイスするとしたら、パソコンで図面を作成することが多いので、CADソフトの扱いに慣れておくこと。奥の深い世界ですが、知れば知るほど面白くなってくるはず。パソコンが好きな人なら向いているかもしれないですね。
これまでに大小4件の現場に携わってきた志賀さんだが、この2つの現場の竣工時は、「ゼロだったものが徐々に形になっていく」感動を特に強く感じたそうだ。
取材協力:一般社団法人 茨城県建設業協会(http://www.ibaken.or.jp/)
関連する資格
建築一式工事に関して下記の資格があるので、就職したらスキルアップに応じてチャレンジしてください。
資格名 | お問い合わせ先 | ホームページ |
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1・2級建築士 | 公益財団法人建築技術教育普及センター 03-6261-3310 |
http://www.jaeic.or.jp/ |
1・2級建築施工管理技士 | 一般財団法人建設業振興基金 03-5473-1581 |
https://www.fcip-shiken.jp/ |