左官工事 さかんこうじ

建物の壁や床、土塀などを、コテを使って塗り仕上げる仕事です。主な仕事場は、マンションやビルなどの建設現場です。ペンキやタイルの下地塗り、コンクリートの土間打ち、階段の仕上げ塗りなど、さまざまな仕事があります。デコボコのコンクリートの壁を平らに滑らかに仕上げる、いわば現場のメイクアップアーティストです。

片岡和久 入職29年目(1級左官技能士)

株式会社浪花組 大阪本社東京本店(大阪府大阪市)

その場の状況によって出来映えが左右される
常に創意工夫が求められる左官の世界。

白壁を仕上げる仕事。コンマ数ミリを経験と感覚だけで仕上げていく職人技。

日本古来の建築の伝統的な技能・技法

左官の仕事は下地の塗りが多く、その大半が建物の竣工時に表に出るものではありません。ペンキやタイルなどの華やかな壁面素材の下に隠れていますが、下地がなくては壁が壁として成立しないし、その意味でも左官の仕事はなくてはならないものなんです。地味な役どころではありますが、日本古来の建築の伝統的な技能・技法として継承されてきたものでもあり、習得するほどに奥の深さを痛感しますね。そこはやりがいに感じるところでもあります。

愛用のコテで作業する片岡さん。壁を上から下まで均等に、
平らに塗るのは基本中の基本だが、それだけに腕の良し悪しが明確に出てしまう。

コテさばきが実力を計る一つの指標

左官職人にとってコテは、最も重要な道具です。現場によって使うコテも違いますし、現在の現場には大小15種類ほど持参しました。コテさばきが実力を計る大きな指標になるほどで、例えば壁を平らに塗るだけでも技量の差は一目瞭然。愛用のコテは長年使っているものがほとんどで、ほかの職人のコテとの違いが手の感覚で見分けることができるんですよ。コテで塗る以外にも、重いセメントをかついだり、セメントをこねたりといった作業があります。

私は、22歳の時に職長に抜擢されました。職長の大切な仕事は、現場にいる職人を一つに束ねていくこと。それぞれの性格や得手不得手を熟知し、それぞれ役割分担をして、自分の思い描いたイメージに近づけていきます。最初のイメージ通りに仕上がると最高の気分ですよ。

左/天井近くの壁塗りは、高所作業車に乗って作業する。
右/現在の現場に持参した愛用のコテ。自宅にも数え切れないほどのコテを所有しているとか。
建物が一つひとつ違うように、現場での作業内容も毎回違う。
新しい現場の設計図面を見て、一般的な左官職人では難しい作業が入っていると“左官魂”が燃えるそうだ。

臨機応変に動けるか

モルタルを塗るにしても、気温や湿度によって乾くのが早かったり遅かったり、仕上がり方も微妙に違います。その場の状況によって出来映えが左右されるので、そこは難しいところですね。状況に応じた判断力といったものは経験を積まないと身に付かないことで、それなりの年数は欠かせません。粘り強さは左官職人に必須の資質でしょう。

例えば、プラモデルの組み立てで、設計図を見て作る人と、見ないで作る人がいるとしたら、見ないで作る人が向いているかもしれません。常に創意工夫が求められる世界ですからね。建物も千差万別で同じものがない。現場も同じところは2つとなく、常に想像力を働かせて臨機応変に動くことが求められる。この世界は若い職人が少ないのでチャンスだと思いますよ。我と思う人はぜひチャレンジしてほしいですね。

取材協力:一般社団法人 日本左官業組合連合会(http://www.nissaren.or.jp/

関連する資格

左官工事に関して下記の資格があるので、就職したらスキルアップに応じてチャレンジしてください。

資格名 お問い合わせ先 ホームページ
1~3級左官技能士 中央職業能力開発協会 
03-6758-2859
https://www.javada.or.jp/
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