造園工事 ぞうえんこうじ

一昔前には「植木屋さん」と呼ばれていた造園業の仕事ですが、樹木の管理(整姿・剪定、移植など)だけではなく、個人の庭づくり、公共事業の公園づくりに関連する、竹垣・飛石・レンガ施工に至るまで実に多岐にわたっています。1年を通じて“みどり”を創り、守り、育てています。

中町 美和子入職21年目(1級造園技能士)

植小株式会社/東京都八王子市

人の手入れで表情が変わる

実は多様な仕事、常に工夫の余地あり

座って勉強するよりも体を動かす方が好きだったこともあり、進学先に農業高校を選びました。そこで体験した実習の授業で、人の手が入ることで表情を変える竹垣づくりの面白さと奥深さを知り、造園の仕事を就職先として考えるようになりました。
現在は、公園の指定管理者として、植木の剪定から水道管の補修、遊具の清掃など公園管理全般に携わっています。造園業というと、庭木を剪定するイメージを持たれることも多いのですが、実際には多様な仕事に取り組んでいます。今年で入社して21年目になりますが、今でも仕事のたびに新しく発見することがあり、常に工夫の余地があるので、達成感を感じる機会が多いです。
指定管理者の仕事は、長期間にわたり同じ公園を使いやすく保つことなので、以前自分の切った木がイメージ通りに成長しているのを見たり、周辺住民との交流や近所づきあいが生まれたりするのも、大きなやりがいになりますね。それから一番の魅力は、やはり外で自然に触れながら働けることだと思います。

付加価値のある仕事を積極的に提案

公園は子どもからお年寄りまで利用する場所なので、草刈り機で石を飛ばさない方法や剪定した樹木の扱い方などに配慮して、とにかく安全に作業することを一番大切にしています。そのため一日一日の仕事の中でどうすればより早く、安全に仕事をすることができるのか、今でも先輩の話をよく聞いて理解するようにしています。些細なことでも、もっとより良くする方法はないのかと考える探求心を持つように心掛けています。造園とは、衣食住のように生きていく上で不可欠な仕事ではないため、単に樹木を剪定し掃除をするだけではない付加価値のある仕事を積極的に提案することが大切だと思っています。


仕事はチームワーク、女性ならではの強みも

入社当時はまだ女性の職人が少なく、労働環境も過酷で、厳しい先輩職人も数多くいました。ただ、最近では女性の職人も増えてきています。私も含め、周囲の協力さえあれば出産後も職人として働くことができるようになりました。
男性の職人と比較すると、女性の職人は腕力で劣るかもしれませんが、この仕事は周りの仲間と助け合って取り組んでいますので、仕事の上ではそれほど苦労を感じません。現場周辺で暮らす住民の方にあいさつするときなどは、女性の職人が説明した方がスムーズに周辺住民の理解が得られると思います。


「体力・忍耐・根性」は不変も、いまは教育環境もしっかり

職人の世界で大切なのは「体力・忍耐・根性」だと思っています。ただ、以前は「見ておぼえろ」とされてきたこの仕事も、最近はしっかりと若い職人に教育をするようになりました。若い皆さんはスポンジのようにどんな知識でも吸収することができます。自分の考えにこだわるのではなく、柔軟な考えを持てば仕事や先輩から学ぶことも増えると思います。

関連する資格

造園工事に関して下記の資格があるので、就職したらスキルアップに応じてチャレンジしてください。

資格名 お問い合わせ先 ホームページ
1・2級造園施工管理技士 一般財団法人全国建設研修センター 
042-300-6866
https://www.jctc.jp/
1〜3級造園技能士 中央職業能力開発協会 
03-6758-2859
https://www.javada.or.jp/
樹木医 一般財団法人日本緑化センター 
03-6457-5215
http://www.jpgreen.or.jp/
庭園アドバイザー 一般社団法人日本造園組合連合会 
03-3293-7577
https://jflc.or.jp/
街路樹剪定士 一般社団法人日本造園建設業協会 
03-5684-0011
http://www.jalc.or.jp/
公園管理運営士 一般社団法人日本公園緑地協会 
03-5833-8551
https://www.posa.or.jp/
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