左官工事 さかんこうじ

建物の壁や床、土塀などを、コテを使って塗り仕上げる仕事です。主な仕事場は、マンションやビルなどの建設現場です。ペンキやタイルの下地塗り、コンクリートの土間打ち、階段の仕上げ塗りなど、さまざまな仕事があります。デコボコのコンクリートの壁を平らに滑らかに仕上げる、いわば現場のメイクアップアーティストです。

野口 良治 入職15年目

東京建材工業(株)/東京都台東区

早い段階から現場にかかわる
「縁の下の力持ち」

手に職をつけたい、きっかけはテレビ

就職に当たり、「なにか手に職をつけたい」と常々考えていました。何気なく見ていたテレビで左官職人の仕事を紹介していて、まさにこれだと思ったのが、この仕事に就いたきっかけです。テレビ画面から、ものづくりの楽しさやおもしろさが伝わってきたことを覚えています。左官職人になり15年目になりますが、下積み期間は長く、つらい日々もありました。なかなか、先輩たちのようにうまくはいきませんでしたが、いろいろな経験をすることによって、自然と技は身につきました。

感覚的な仕事、毎日が勉強

15年の経験があるとはいえ、仕事も毎回同じではないので、まだまだやったことのない作業もたくさんあります。それだけにとても奥深く、今でも毎日が勉強だと思っています。左官の仕事は非常に感覚的なもので、「見て覚えろ。口で言っても分からない」と言われます。失敗から学ぶことも多いのです。その分、できなかったことができるようになると、本当にうれしいものです。正直なところ、左官の仕事をおもしろいと思ったのは入職して5、6年過ぎてからです。それまではつらいと思うことの方が多かったですね。どんな仕事もそうでしょうが、忍耐力は求められます。

決められた手順やルールを守る

危険な仕事だと思われることもありますが、決められた手順や現場のルールをきちんと守っていれば、そんなことはありません。

資格を取得すれば仕事の幅が広がる

取得すべき資格もたくさんあります。私は研削、砥石、高所作業車の資格を既に取っています。今年は左官1級の技能検定を受検します。また、職長教育や安全衛生責任者教育も受講する予定です。資格がなければできない作業もあり、言い換えれば、資格を持つことで仕事の幅が広がります。いずれは、登録左官基幹技能者や建設マスター(優秀施工者国土交通大臣顕彰者)も目標にしています。自分自身のレベルアップのためにも、いろいろな資格の取得にチャレンジしていこうと思っています。

現場は1つ、和を大切に

建設現場では「働くみんなが和を大切にして、1つになること。そして、明るく元気に働けるような雰囲気づくり」に努めています。それが安全に安心して働ける快適な職場づくりにつながります。塗り壁を仕上げたときの達成感や喜びを、若い人たちも得られるように技能を伝えていきたいと思います。

取材協力:一般社団法人 日本左官業組合連合会(http://www.nissaren.or.jp/

関連する資格

左官工事に関して下記の資格があるので、就職したらスキルアップに応じてチャレンジしてください。

資格名 お問い合わせ先 ホームページ
1~3級左官技能士 中央職業能力開発協会 
03-6758-2859
https://www.javada.or.jp/
ページトップへ