塗装工事 とそうこうじ

建築物の内装や外装を塗装するのが、建築塗装工です。依頼主の要望や設計図をもとにして、それに沿った塗装を施していきます。戸建て住宅や会社、事務所、高層ビルの外壁など、あらゆるところに活躍の場があります。壁の材質や外装の状態などにより、使用する塗料や塗装方法も異なってくるため、熟練の経験と技がものを言う世界といえます。

依田 浩司入職23年目

佐藤興業株式会社/東京都千代田区

「見える形で残る」仕上げの醍醐味

社会人としての自覚の芽生え

工業高校では、塗装工事とはまったく関係のない電気科に通っていましたが、学校の先生の紹介で佐藤興業に入社しました。この世界のことは何も知りませんでしたが、とにかく無我夢中で仕事に打ち込みました。当時は18歳。専門学校や大学に進学した同級生たちが遊んでいる中、私は毎朝4時起きで、多忙な日々を過ごしていましたが、会社にお世話になっている以上、社会人としての自覚を持ち、やりがいを感じながら仕事に臨んでいました。

夢の空間を描く塗装職人

これまでで一番印象深かった現場は、24歳のときに現場管理に携わったテーマパークの仕事です。後にも先にもこれほど大きな現場はありませんが、8カ月ほど常駐し、自分の担当エリアだけで、最大で1日200人くらいの塗装職人が働いていました。一般的な塗装だけでなく、当社が得意とする特殊塗装がふんだんに採用されている現場でもありました。
現在は施工管理と営業を担当しています。元請けと職長の間に立ち、見積もりや各種書類の作成などを行うのが主な仕事です。施工管理では、材料や工法に関する知識はもちろんですが、何よりも職人さんの気持ちを分かることが大事です。若いころの現場作業経験が、現在、かなり生かされていると思います。環境を整えて、気持ちよく仕事をしてもらえるように心がけています。

〝作品〟に魅力あってこそ

われわれの仕事は、いくら営業の人間が聞こえの良いことを言っても、本当の営業にはならないと思っています。コストや工程、安全などを含め、現場で職人さんが作った〝作品〟に魅力があって初めて営業ができる。いま現在、第一線で活躍してきた大先輩の職人さんたちが引退していく世代交代の過渡期にあります。幸い、自社・協力会社とも若い職人がたくさんいますが、若い人たちのためにも安定した受注をがんばっていきたいですね。

目指せ1級塗装技能士

当社は根本的に技術の会社であり、新規入職者には、まず現場で知識や技術を身に付けてもらいます。当然、さまざまな資格も求められます。会社では、目標として1級塗装技能士を取得できるようサポートに力を入れていますが、有機溶剤取扱主任者や10メートル未満の高所作業車運転者の資格は必須と言えます。現在、法令改正を受け、外注先の職人を含めて、足場組立等従事者特別教育の講習修了も急いでいます。職長になるには、安全衛生責任者教育の受講も欠かせません。資格を持っていると仕事の幅が広がります。

 

完成後も見えるが故の責任

わたし自身、2年目くらいのときに「辞めたい」と思ったことがあります。そんなある日、現場に向かう電車の中で、自分が塗装したオレンジのエントランス部分が写ったマンションの中吊り広告を見つけました。自分の仕事が「形に残る」「いろんな人に見られている」と気づき、この世界のおもしろさを実感しました。特に「見える形で残る」ことが仕上げの醍醐味です。

建築業、いまが絶好のチャンス

建築業はいまがチャンス。オリンピックに向けて、いろいろな事業が計画されています。この時代、この時期に建築業に携わることは、何年、何十年経っても本当にかけがえのない財産になるはずです。業界全体も盛り上がっています。若い人には、ぜひこの千載一遇のチャンスに、建築業に飛び込んできてほしいですね。

関連する資格

塗装工事に関して下記の資格があるので、就職したらスキルアップに応じてチャレンジしてください。

資格名 お問い合わせ先 ホームページ
1・2級塗装技能士 中央職業能力開発協会 
03-6758-2859
https://www.javada.or.jp/
有機溶剤作業主任者 労働安全衛生管理協会 
048-885-7773
https://www.roudouanzen.com/
乙種危険物取扱者 一般財団法人消防試験研究センター 
03-3597-0220
http://www.shoubo-shiken.or.jp/
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