電気工事 でんきこうじ
建築工事で、一般用電気工作物または自家用電気工作物などを設置し、各種電気設備を設営する工事です。建設作業と平行して行うことが多く、図面をもとに、建物に電線を引き込み、配線し、コンセントやスイッチ、照明器具などの端末に電気を届けます。電気を必要とするところならどこでも仕事があり、作業現場は高層ビルから商店、戸建住宅まで多岐に渡ります。
田中 潤 入職12年目(第一種電気工事士)
(株)関電工(東京都港区)
配管、配線から照明器具が点灯するのを確認するまで
建築工事のすべてに関わる重要な仕事です。
配電盤は建物全体に電気を送る心臓部であり、作業は特に細心の注意が必要だ。
電気という“血液”を建物に注入する仕事
空調・衛生設備や電灯・コンセント、エレベーターなども電気がなければ動かないし、存在する意味がないでしょう? 電気工事の仕事は、人間の体でいえば、頭から手足の指の先端まで縦横無尽に張り巡らされている血管を作るようなもの。電気という“血液”を建物に注入する、建築工事に欠かせない役割を担っています。配管工事から照明器具が点灯するのを確認するまでが責務なので、建築工事のほぼ最初から竣工まで、すべてに関わっているんですよ。
建物全体が燦然と光り輝く、感動の瞬間
今ではあまり実施されなくなりましたが、以前は大きなビルの完成時には点灯式を行っていました。夜間に、ビルのすべての階の照明が一斉にライトアップする時は、電気工事に携わった者にとってはたまらない感動の瞬間です。建物全体が燦然と光り輝いて、「あぁ良かったなぁ」って作業中に苦労したことも吹っ飛びますね。この仕事に就いて間違いなかったと思います。
電気工事士の技術は、配管を見映え良くきれいに曲げるとか、配線をきれいに仕上げるとか、いろいろあります。ゆっくりやればそれなりにきれいにできますが、素早く見た目もきれいというのが熟練の技。急げば急ぐほど雑になりがちで、簡単ではないですが、経験を重ねながら技術の向上を目指しています。
フィンランドで開催された技能五輪国際大会に出場
現在の現場は32階建てのオフィスビルで、電気工事士7名のチームの職長を担当しています。職長には安全管理、施工品質管理、工程管理などの仕事もあって、チーム全体をまとめていく統率力が求められます。現場は複数の業種の人たちと同時進行するので、彼らの作業との折衝も重要な仕事の一つです。
この仕事で感激したのは、2004年の第42回技能五輪全国大会「電工」職種で優勝して第38回技能五輪国際大会に出場できたことです。その年は北欧フィンランドのヘルシンキで開催され、他国の電気工事士の技を目の当たりにできました。電気工事士でも頑張れば世界に出ていけるんですよ。電気工事はどこの国でも共通事項が多いし、電気という世界共通の言語で語り合えたような気がします。
電気を扱うのが好きという人ならぜひやってみてほしいですね。実際にやってみるとけっこう楽しいですよ。
取材協力:一般社団法人 日本電設工業協会(http://www.jeca.or.jp/)
関連する資格
電気工事に関して下記の資格があるので、就職したらスキルアップに応じてチャレンジしてください。
資格名 | お問い合わせ先 | ホームページ |
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第1・2種電気工事士 | 一般財団法人電気技術者試験センター 03-3552-7691 |
https://www.shiken.or.jp/ |
1・2級電気工事施工管理技士 | 一般財団法人建設業振興基金 03-5473-1581 |
https://www.fcip-shiken.jp/ |