鉄筋工事 てっきんこうじ

設計図から鉄筋の配置関係を把握し、現場に入ってきた資機材(鉄筋など)を設計図通りに組み立てる仕事です。竣工時には鉄筋はコンクリートに隠れて見えなくなりますが、建物の骨組みというべき重要な存在です。特徴的な作業として、ハッカーと呼ばれる工具を使って針金で鉄筋をとめる「結束」があります。このスピードと出来映えの美しさによって熟練工かどうかが分かるそうです。

重村 春樹入職2年目

矢島鉄筋工業(株)(東京都墨田区)

あらゆる資格に挑戦し、
現場を動かす存在になりたい。

仲間に自慢できる仕事

高校は普通科だったので、求人は営業職が大半でしたが、自分が好きな「身体を動かす」仕事を探す中で、いまの会社を知りました。故郷の鹿児島・奄美大島には、あまりビルはありません。東京で高層ビルをいくつも造っている会社だとパンフレットで知り、地元の仲間にも自慢できる仕事だと思いました。東京で働けることや月給制であることも、決め手の一つになりました。

難しいほど達成感がある

入社して1カ月間の研修を経て、マンション建築現場に配属されました。最初は指示されたことに従うだけで目一杯でしたが、1年目の夏が過ぎたあたりから、これは自分に向いていると感じ、仕事がだんだんおもしろくなってきました。教えてもらったことを理解して自分のものにするだけではなく、自ら考えて工夫することにもチャレンジしました。難しい作業になればなるほど、終えた時の達成感があります。もちろん失敗もたくさんありますが、自分は一度失敗したことは二度としないと強く意識しています。

入り組んだ「知恵の輪」をつくる

朝5時に起床し、6時に会社の朝礼に出て、7時には現場に向かいます。現場での作業時間は8時から午後5時まで。自宅に帰るのは7時半ごろで、日曜日は休みです。現在の主な仕事内容は、工場で適切なサイズに加工され、現場に搬入されたたくさんの鉄筋を、床や柱の構造体として結束、組み立てることです。構造物によって鉄筋の長さや太さ、形状は異なります。さらに、鉄筋を曲げる作業もあり、これを図面通りに仕上げなければなりません。例えば、建物の下層は鉄筋が太く、上層は細くなります。それに応じて当然、作業内容も変化します。鉄筋工事はまるで、入り組んだ巨大な「知恵の輪」をつくるようなものです。作業工程の前後を担当する型枠大工との連携・調整も、仕事を左右する重要なポイントです。

資格取得にもチャレンジ

3年目となる来年には、2級鉄筋施工技能士の資格を取得したい。会社の指導の下、現在実技や学科試験の準備をしています。いずれは1級技能士や登録基幹技能者など、あらゆる資格に挑戦し、現場を動かす存在になりたいと思っています。

こんなにやりがいある仕事はない

ひとは鉄筋工事の仕事を、ただきつくて大変だろうと一言でいいますが、これほどやりがいのある仕事はないと思っています。早く手に職をつけて一人前になり、建築という形に残る仕事をしていると胸を張れるようになりたい。若い人の中には、きつい仕事を嫌う人もいますが、見た目や印象で判断せず、鉄筋工事のことを理解した上で、仕事の良しあしを見極めてほしい。そういう意味でも、帰郷した際には仕事を探している友人に、建設業にチャレンジしてみたら、と勧めています。

関連する資格

鉄筋工事に関して下記の資格があるので、就職したらスキルアップに応じてチャレンジしてください。

資格名 お問い合わせ先 ホームページ
1・2級鉄筋施工技能士 中央職業能力開発協会 
03-6758-2859
https://www.javada.or.jp/
ページトップへ