鉄筋工事 てっきんこうじ

設計図から鉄筋の配置関係を把握し、現場に入ってきた資機材(鉄筋など)を設計図通りに組み立てる仕事です。竣工時には鉄筋はコンクリートに隠れて見えなくなりますが、建物の骨組みというべき重要な存在です。特徴的な作業として、ハッカーと呼ばれる工具を使って針金で鉄筋をとめる「結束」があります。このスピードと出来映えの美しさによって熟練工かどうかが分かるそうです。

佐々木 優輝入職9年目(1級鉄筋施工技能士)

矢島鉄筋工業(株)(東京都墨田区)

建物の強度を保つために欠かせない鉄筋
人間の体で言えば「骨」のような存在ですね。

建物の内部にある鉄筋を組み立てる仕事

鉄筋工事とは、ビルやマンションなどの建築物や橋梁、トンネル、高速道路などのコンクリートで覆われたものの内部にある、骨組みとなる鉄筋を網目状に組む仕事のことです。鉄筋は、人間の体で言えば「骨」のようなものですね。これがないと建物が倒壊したり、ひび割れたりします。建物の強度を保つための要のような存在です。これをしっかり組立てることは重要な役割ですし、誇りに思える部分でもあります。

努力すれば認められる実力の世界

この仕事に就いて9年目になりますが、3年前に職長に昇格しました。職長というのは現場を取り仕切る会社の代理人のような立場で、鉄筋を組み立てる実作業だけでなく、仕様書と図面から適切な材料を選択し、鉄筋の加工形状や数量を見積もって加工場に発注したり、現場で職人さんが作業しやすいように段取りをつけるといった能力も問われます。経験を生かしロスをなくすことも重要な責務になっています。

何よりも人間関係が大切

いまの現場では基礎工程で13人の職人をたばねています。仕事内容は毎日の作業の段取りや職人への指示、使う材料の把握と発注、元請けのゼネコンとの打ち合わせが中心です。とびや型枠大工など他職種との意思疎通を含め、コミュニケーションがよく取れる、雰囲気の良い現場にしようと心掛けています。そうすれば現場はうまく回ります。いろいろな人が携わるものづくりの現場では、人間関係こそが仕事の肝ではないでしょうか。

入社3年目に2級技能士を取得

入社3年目に2級鉄筋施工技能士の資格を取得しました。普段から現場でやっていることを実践すれば、おのずと取れると思います。1級技能士についても、実技は試験前に一度組んでみて、ここには気をつけようと確認する程度で、受かる自信はありました。学科試験には、知らない用語や鉄筋工事以外の内容も出てくるので、それなりに苦労もしましたが、会社の先輩のアドバイスも力になり、1回目のチャレンジで取得することができました。来年には経験年数10年という登録基幹技能者の応募条件を満たすので、ぜひ挑戦したいと思っています。ゆくゆくは2級施工管理技士にもチャレンジしたいと考えています。

仕事を覚えると楽しさも分かる

若い人には、仕事がつらいからといって、すぐに辞めるとならないでほしいですね。少なくとも、2-3年は続けた上で判断してもらいたいと思います。私自身も入職したばかりの頃は、何度も辞めたいと考えましたが、2-3年経つと仕事を覚え、自然とその楽しさも分かってきます。

関連する資格

鉄筋工事に関して下記の資格があるので、就職したらスキルアップに応じてチャレンジしてください。

資格名 お問い合わせ先 ホームページ
1・2級鉄筋施工技能士 中央職業能力開発協会 
03-6758-2859
https://www.javada.or.jp/
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